朝日嶽留藏

朝日嶽留藏（あさひだけ とめぞう）は、1889年（明治22年）6月18日に兵庫県宍粟郡奥谷村原（現在の宍粟市波賀町原）で生まれ、1974年（昭和49年）12月8日に85歳で亡くなった大相撲力士です。本名を幸福留藏といい、大阪相撲で活躍し、最高位は大関でした。

経歴

1911年（明治44年）2月、8代三保ヶ関に入門し初土俵を踏みました。わずか3年後の1914年（大正3年）5月には十両に昇進し、1916年（大正5年）6月には入幕を果たしました。身長168cm、体重93kgと当時としては小柄な力士でしたが、その体格からは想像もできないほどの押しと変化に富んだ相撲で、多くの強豪力士を打ち破りました。

1918年（大正7年）5月場所では前頭10枚目で9勝1敗という好成績を挙げ、初優勝を果たしました。さらに、1920年（大正9年）5月場所では小結として9勝1敗で2回目の優勝を飾りました。これらの活躍が認められ、1921年（大正10年）1月には大関に昇進しました。しかし、大関の地位は長くは続かず、この場所5勝5敗の五分に終わり、関脇で6勝4敗の二瀬川忠太郎と入れ替わる形で、わずか1場所で大関から陥落しました。

その後、3場所は三役の地位を維持しましたが、平幕に降下し、1923年（大正12年）5月に発生した龍神事件の責任を取り、力士会の役員を務めていたことから、惜しまれながらも廃業を決意しました。

幕内での通算成績は、14場所で69勝59敗1分1預10休、優勝は2回でした。

廃業後

廃業後は市井の人として静かに暮らし、長寿を全うしました。

参考文献

酒井忠正「日本相撲史」中巻、1964年
「大相撲人物大事典」、2001年 ISBN 9784583036403

朝日嶽留藏は、小柄ながらも持ち前の技と努力で大相撲の世界で輝きを放った力士でした。その相撲は、多くの人々に感動と勇気を与え、今もなお語り継がれています。

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