朝鮮人日本兵

朝鮮人日本兵について

朝鮮人日本兵は、大日本帝国の陸海軍において軍務に従事していた朝鮮人のことを指します。彼らには軍人の他にも、俘虜監視員などの役割を果たした軍属が含まれることもあります。彼らの歴史は日本の植民地支配や戦争と深く関わっており、複雑な背景があります。

経緯

朝鮮人の軍隊への参加は、1910年に日韓併合がなされた際に始まります。この年に設立された憲兵補助員制度により、朝鮮人は陸軍一等卒や二等卒の待遇を受ける軍属として初めて参画しました。この制度は1919年に廃止され、その後多くの朝鮮人が朝鮮総督府の警官に転職しました。

その後、1938年に「陸軍特別志願兵制度」が導入され、日本が第二次世界大戦に突入する1943年には海軍特別志願兵制度も発足しました。これ以前は、朝鮮人が一般の兵士として軍に参加することはできず、高等な教育を受けた者や旧大韓帝国軍から転籍された者に限られていました。しかし、1944年からは徴兵制度も適用され、多くの朝鮮人が軍に参加することとなります。

戦没者と靖国神社

日本の植民地時代に軍務に従事し戦没した朝鮮半島出身者の多くは、約2万1000人が靖国神社に合祀されています。これらの人々は、朝鮮人日本兵として戦争に関わった者たちです。

環境と処遇

旧日本軍は朝鮮出身の兵士に対して特別な処遇を示し、彼らを内地兵と同様に大切に扱う努力があったものの、実際にはさまざまな差別や偏見が存在していました。日本側が彼らに対して教育的な支援を試みる一方で、民族的な特性や文化を理解することが重要だとされました。しかし、実際には一方的な見方や先入観が根強く残っていました。

志願兵制度と背景

1943年には「陸軍特別志願兵臨時採用規則」が制定され、文科系大学生などの朝鮮人に志願の機会が与えられました。この背景には、朝鮮人の社会的状況や戦時下の日本人との協調志向が含まれています。当時の朝鮮には、独立運動に関連した動きもありましたが、戦争に参加することが将来自国に貢献する手段であると考える者も少なくありませんでした。

統計と評価

後の調査によれば、約24万2,341人の朝鮮人が軍人や軍属として登録され、その中で約2万2,182人が戦争で命を落としたか行方不明になった指摘もあります。また、戦後の朝鮮人に対する評価は分かれており、韓国では彼らの軍歴が影響を与えた一方で、北朝鮮では多くが反民族行為者として扱われました。

まとめ

朝鮮人日本兵の歴史は、日本の植民地支配や戦争という歴史的背景と切り離せないものであり、彼らの存在はさまざまな議論や評価を引き起こしています。その事実を理解することは、現代の視点から歴史を振り返る際に欠かせない要素となっています。

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