朝鮮人民警備隊

朝鮮人民警備隊について

朝鮮人民警備隊（조선인민경비대）は、北朝鮮における国内軍の一形態であり、朝鮮戦争中に設立された38警備隊の後継組織です。この部隊は、正規軍と警察の中間的な存在として、特に共産圏において一般的に見られる準軍事組織の典型例です。かつては軽武装の部隊でしたが、近年は一部重火器も保有するようになりました。

特に印象的なのは、この部隊の兵力が10万人以上に達することであり、そのため、軽武装とはいえ侮ることのできない戦力を誇っています。

組織と構成

朝鮮人民警備隊は、複数の旅団に分かれており、それぞれが特定の地域を管轄しています。報道によれば、旅団別の兵力規模はほぼ均一ですが、管轄範囲によって多少の差異があります。具体的には第15警備旅団が最も多くの兵力を抱え、逆に第22警備旅団は兵力が最も少ないとされます。

各旅団の指揮官は少将が務め、旅団参謀長は大佐または少将の階級です。また、副旅団長には軍事副旅団長と後方副旅団長があり、それぞれ大佐の階級を持っています。基本的な編成は、連隊、大隊、中隊、小隊、分隊といった形で、朝鮮人民軍に類似しています。

1970年代以降、兵力不足が問題視されるようになり、特に女性兵士の比率が増加しました。この政策は、金日成が「海岸で目を使うのは女性でもできる」と語ったことから派生しており、積極的に女性人員を拡充するよう指示されていました。

各旅団の配置

• - 第11警備旅団：平安北道新義州市
• - 第13警備旅団：平安南道平城市
• - 第15警備旅団：黄海南道海州市（最も兵力が多い）
• - 第17警備旅団：咸鏡北道清津直轄市
• - 第19警備旅団：咸鏡南道咸興市
• - 第21警備旅団：江原道元山市
• - 第22警備旅団：慈江道江界市（1973年に解体、1993年に再創設）

この部隊は、任務の特性上、豊富な軍用犬を保有しています。ドイツやチェコの商品を含む高性能な軍用犬も多く揃えています。保有する装備についてですが、主に一般的な個人用の武器（例：自動小銃）や歩兵用武器（例：軽機関銃、ロケット砲、高射機関銃）に限られています。海岸部隊においては、小型の警備艇を持つこともあり、さらに一部の海岸部隊では高射砲や直射砲などの重火器を保有しています。

近年の変化

2010年4月に「朝鮮人民内務軍」と名称を改称し、組織の重要性がさらに強調されました。国境警備の職務が国家安全保衛部から人民武力省の国境警備司令部に移管され、国境警備隊がその主な役割を担うことになりました。これにより、国境の防衛体制が見直され、強化されることが期待されています。

このように、朝鮮人民警備隊は北朝鮮の安全体制において重要な役割を担い、近年ではその人員と装備の拡充が進められています。

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