木の屋石巻水産

株式会社木の屋石巻水産

株式会社木の屋石巻水産は、宮城県石巻市に本社を構える水産加工品メーカーです。創業以来、地域に根ざした製品づくりを行い、特に鯨肉加工品はその代表格として知られています。

東日本大震災からの復興

2011年の東日本大震災において、木の屋石巻水産は甚大な被害を受けました。本社隣接地に設置されていた鯨大和煮の缶詰を模した巨大タンクも津波で流出し、工場も全壊するという壊滅的な状況に見舞われました。震災後、商品の種類は大幅に減少しましたが、石巻市と美里町に新たな工場を再建し、不屈の精神で経営再建に取り組んでいます。

「命の缶詰」と支援の輪

震災発生時、津波で流出した約100万缶の缶詰が、被災者にとって貴重な食料源となりました。これらの缶詰は「命の缶詰」と呼ばれ、支援物資が届くまでの間、多くの人々の命を繋ぎました。その後、ガレキの中から掘り起こされた缶詰は、東京都世田谷区のコミュニティ酒場「さばのゆ」の協力により、洗浄され、義援金と引き換えに配布される活動が行われました。この活動はメディアにも取り上げられ、全国からの支援へと繋がり、「希望の缶詰」として約25万缶が人々の手に渡り、復興への大きな力となりました。このエピソードは、絵本『きぼうのかんづめ』や書籍『蘇るサバ缶　震災と希望と人情商店街』としても出版され、多くの人々に感動を与えました。

販売と沿革

震災後、販路も縮小されましたが、JR仙台駅構内の復興応援ショップ「絆」での販売や、TBSテレビ「マツコの知らない世界」で紹介された「金華さば」缶詰が絶賛されたことなどがきっかけとなり、再び注目を集めました。特に「金華さば」缶詰は、放送後注文が殺到し、1年分の在庫の3分の2が売れるほどの人気となりました。

沿革

1957年（昭和32年）11月 - 創業。
1997年（平成9年） - 「カレイの縁側醤油煮込み」が内閣総理大臣賞を受賞。
1999年5月6日 - 会社設立。
2011年 - 東日本大震災により被災。
2013年 - 石巻本社工場、美里町工場完成。
2023年 - 復興庁 令和4年度「新しい東北」復興・創生の星顕彰に選出。


主な製品

缶詰: 手詰め金華さば水煮、手詰め金華さば味噌煮、鯨大和煮、牛肉大和煮、サンマ水煮、カレイの縁側、沖あなごなど
鯨加工品: 鯨ベーコン、竜田揚げなど


株式会社木の屋石巻水産は、震災からの復興を遂げ、地域とともに歩む企業として、これからも美味しい水産加工品を届け続けています。

外部リンク

木の屋石巻水産HP
木の屋石巻水産 (kinoyaishinomaki) - Facebook
* 木の屋石巻水産のキッチン - クックパッド

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