木の根団結砦撤去事件

木の根団結砦撤去事件

木の根団結砦撤去事件（きのねだんけつとりでてっきょじけん）、またの名を木の根決戦（きのねけっせん）は、1987年11月24日から26日にかけて、日本の成田空港に関連する地域で発生した抗議活動の一つです。この事件は、新東京国際空港の二期工事用地内の木の根地区に位置する木の根団結砦において、機動隊と地域の抗議グループが衝突したことで知られています。27日には、成田国際空港の安全確保に関する緊急措置法、すなわち成田新法に基づき、砦が撤去されました。

背景

木の根団結砦は、1960年代に設置され、この地域での反対運動の基地として機能していました。特に、1970年から1978年にかけては、空港開港に対する強い反発が見られました。1978年5月16日、成田新法が適用され、木の根団結砦は使用禁止となりましたが、当時の革労協はこの決定に従わず、活動を続けていました。1987年11月16日には、新東京国際空港公団が砦付近で囲い込み作業を進めると、活動家たちが公団職員に石を投げるなどの抵抗を行いました。

事件の経過

11月24日早朝、千葉県警の機動隊が公務執行妨害の容疑で木の根団結砦に対する家宅捜索を実施しようとしました。これに対し、革労協や共産同戦旗派の活動家6人が砦に立てこもり、投石や火炎瓶、火炎放射器を用いた激しい抵抗を展開しました。機動隊は活動家の逮捕を試みますが、抵抗は非常に強く、全ての逮捕には3日間を要しました。また、砦周辺には北原派や中核派などの抗議者約300人が集まり、空港公団と千葉県警に対する抗議行動を行いました。

この激闘が続いた最終日、11月26日には、250人の機動隊員と5台の放水車が動員され、高所放水車も投入される事態に至り、午後1時半頃には、活動家1人が別の櫓に移ろうとして捕まると、残りの活動家も投降しました。

結果

3日間の衝突の結果、逮捕者は7人に及び、機動隊員や活動家も負傷しました。最終的に、木の根団結砦は成田新法第3条に基づく除去処分が下され、成田新法施行直後に最初の使用禁止命令を受けた砦は、撤去の第一号となりました。この事件は、成田新法の適用を実際に示すものとなり、その威力を再認識させる結果となりました。

参考文献

• - 朝日新聞 1987年11月24日夕刊・25日・26日社会面
• - 読売新聞 1987年11月24日夕刊・25日・26日・27日社会面
• - 毎日新聞 1987年11月24日夕刊・25日・26日社会面
• - サンケイ新聞 1987年11月24日夕刊・25日・26日・27日社会面
• - 千葉日報 1987年11月25日・26日社会面
• - 機関紙解放 1987年12月1日 15日版

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