木下勇 (野球)

木下 勇

木下勇（きのした いさむ）は、1920年4月10日に鳥取県米子市で生まれ、1997年3月15日に亡くなったプロ野球選手（投手）であり、その後、高校野球監督としても活躍した人物です。

来歴と選手活動

彼は、鳥取県立米子中学校（現在の米子東高校）に在籍していた1935年に、外野手として春・夏の甲子園に連続出場したことから、その野球キャリアが始まりました。チームメイトには後にプロに進む選手が多数おり、木下は早くから才能を期待された存在でした。

卒業後の1938年、彼は大阪タイガースに入団します。アンダースローの投手として知られる木下は、その投球スタイルから彼自身の持ち味であるシュートを用いて、チームの重要な戦力として活躍しました。1940年には開幕投手を務め、このシーズンで17勝を挙げています。その後、1941年の正月大会では南海戦でノーヒットノーランを達成するという偉業を成し遂げました。

1942年には大阪鉄道局米子へ移籍しましたが、1年後にプロ野球界に復帰。1944年には南海軍及び近畿日本軍としてプレーしました。

監督業

戦後、木下は母校で打撃投手を務め、その後1946年には野球部の臨時監督を務めます。この時、米子中と鳥取第一中の2校だけの参加で行われました。その結果、米子中は準優勝という成績を収めました。

1947年から1948年にかけて、大阪鉄道管理局や大陽ロビンスを経て、1950年から西鉄クリッパース（後の西鉄ライオンズ）でプレー。1952年のシーズンオフに現役を引退しました。

引退後も指導者としての道に進み、1955年6月には境高校の監督に就任します。しかし、夏の予選で思うような成果が得られず退任。その後、母校の米子東高野球部監督に就任し、1956年にはエースの長島康夫を擁し、夏の甲子園でベスト4進出に貢献しました。さらに、1957年には鳥取県高校選抜監督としてハワイ州選抜チームとの親善試合を指揮しました。1959年には島根の大田高校でも監督として夏の甲子園に出場しています。

監督スタイルと晩年

1964年から1969年には米子工業高校で監督を務めましたが、甲子園出場には至ることができませんでした。彼の指導スタイルは「木下式のんびりムード」と言われるほどおおらかであった一方で、実際には練習が厳しいものであったという意見も、彼の指導を受けた選手たちから寄せられています。

引退後も母校で後輩の指導を続けていましたが、1997年に76歳でこの世を去りました。木下勇は、投手としての球種はシュート、ドロップ、カーブなどを操り、多くの選手や指導者に影響を与えた人物です。

関連情報

彼が在籍したチームや選手の情報は、以下のリンクから閲覧できます。

• - NPB.jp 木下勇の成績 (日本野球機構)

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