木下道雄

木下道雄の生涯

木下道雄（きのした みちお、1887年6月13日 - 1974年12月5日）は、日本の政治家であり、昭和天皇の侍従として知られています。彼は東京都に生まれ、東京帝国大学法学部を1912年に卒業後、岡山県警部に任命され、その後さまざまな役職を歴任しました。

経歴

彼のキャリアは多岐にわたり、1917年には岡山県和気郡の郡長として公務に従事し、内閣書記官としてもその腕を振るいました。その後、1924年には東宮事務官、続いて宮内書記官や東宮侍従など、天皇に仕える職務を次々に担っていきます。また、1927年には皇后宮事務官に就任し、政治や皇室に関連する多くの業務を担当しました。

1930年からは宮内大臣官房秘書課長を経て、同官房総務課長に任命され、その後も1945年には皇后宮大夫・侍従次長に就任しました。1946年には依願免官となり、数十年にわたる公務を終えました。

家族

木下道雄の家族には興味深い背景があります。彼の両親は木下広次と母親のツネ（木下助之四女）であり、妻のシズは木下助之の孫にあたります。また、彼の妹トネの夫は鈴木三郎で、鈴木貫太郎の弟でもあります。さらに、彼の兄である木下正雄も、物理学者として名を馳せています。

著作

木下道雄は多くの著作を残しています。代表的な著書には以下のものがあります。

• - 『今上陛下を拝し奉りて』 - 大政翼賛会宣伝部から1944年に発表。
• - 『忘れ得ぬこと』 - 憲法の会により1965年に発行された憲法問題決定版です。
• - 『宮中見聞録 忘れぬために』 - 新小説社から1968年に出版されました。
• - 『新編 宮中見聞録 昭和天皇にお仕えして』 - 日本教文社から1998年に発売。
• - 『皇室と国民』 - 皇居外苑保存協会から1974年に出されました。
• - 他にも『側近日誌』や『側近日誌 侍従次長が見た終戦直後の天皇』などがあり、特に後者は、戦後の天皇の状況を記録した重要な資料とされています。

栄典

彼が受けた栄典には、1940年（昭和15年）8月15日に授与された紀元二千六百年祝典記念章があります。これは、日本の歴史における重要な節目を祝うものであり、彼の公務における貢献を象徴するものです。

木下道雄の生涯は日本の政治と皇室の歴史において、重要な位置を占めています。彼の多岐にわたる著作は、当時の状況や皇室との関わりを知る貴重な資料となっています。

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