木佐貫真照

木佐貫真照：波乱の人生と贖罪

木佐貫真照（きさぬき まさあき）は、1946年8月16日、鹿児島県桜島に生まれました。その生涯は、少年院への収監からヤクザの世界での活動、そして薬物依存者更生支援という、波乱に満ちたものでした。現在は大阪市西成区に在住し、作家、フリーライター、薬物依存者更生支援団体『日本達磨塾』代表として活動しています。

若年期の過ちと暴力団の世界へ

15歳で佐世保初等少年院に送致された木佐貫は、その後も福岡中等少年院、佐賀少年刑務所と転々としました。18歳で地元の組織の一員となり、22歳で大阪へ進出。尼崎の独立組織「関西護国団」の谷田哲雄団長の舎弟となり、29歳で若頭に昇進しました。同時期には、自らも大阪の上本町に「木政興業」、後に淀川区に「亜城総業」を設立しています。

10年間にわたり「関西護国団」の若頭を務めた後、副団長となりますが、銃刀法違反、薬物取締法違反、覚醒剤取締法違反などで度々逮捕され、刑務所入りを繰り返しました。平成9年には懲役4年6ヶ月の判決を受け、秋田・青森刑務所で満期出所。その後、五代目山口組系山健組内太田興業の太田守正氏の舎弟となり、大阪市浪速区に「木佐貫興業」を設立し、覚せい剤の密売を開始。「シャブ極道」として名を馳せました。前科12犯、服役年数は累計30年に及びます。

転換期：逮捕、そして執筆活動

平成13年、無免許運転で逮捕され、神戸刑務所に服役。この服役中に執筆した『実録シャブ屋』の出版をきっかけに組織を破門されました。出所後、北関東の栃木県佐野市に移住し、政治結社「大日本貫勇塾」を設立するも、解散。その後、大阪に戻り、平成19年には道交法違反と業務上過失致死罪で懲役5年の刑を受け、京都・横浜刑務所で服役。平成24年に満期出所しました。

贖罪と社会復帰への道

現在は大阪市内で生活し、過去の過ちを償うため、薬物に関する講演活動や執筆活動を行っています。薬物依存者更生支援団体「日本達磨塾」を設立し、代表として薬物依存者の更生支援に尽力する傍ら、青少年育成や人権・同和問題支援、ボランティア促進活動にも取り組んでいます。また、「日本達磨塾」の塾長を後任に譲り、六代目山口組三代目弘道会野内組権太会の最高顧問に就任し、渡世に復帰しています。

著書とメディア出演

木佐貫真照は、自らの経験に基づいた著書を多数出版しています。『シャブ屋』、『実録シャブ屋』シリーズなど、その生々しい描写は読者に衝撃を与えています。また、メディアにも多数出演し、自らの経験を語ることで、薬物問題の深刻さを社会に訴えかけています。

著書一覧

『シャブ屋』ぴいぷる社 1993年
『実録シャブ屋（Ⅰ）』ぴいぷる社 2000年
『実録シャブ屋（Ⅱ）ふたたび』ぴいぷる社 2001年
『実録シャブ屋（Ⅲ）みたび』ぴいぷる社 2003年
『改訂版　実録シャブ屋』洋泉社 2007年
『シャブ屋の懺悔 西成密売四十年』KADOKAWA 2018年
『浪花のシャブ外道』徳間書店　2020年

また、コミック化もされており、『実録シャブ屋』（めちゃコミック／2020年6月5日配信開始）として、その人生が描かれています。

メディア出演

木佐貫は、テレビ番組やインターネット番組にも積極的に出演しており、その実体験を語っています。

「Newsな２人」（TBS）
「Abema TIMES」
「田村淳の地上波ではダメ！絶対！」
「千原ジュニアのダラケ！」
「日曜報道 THE PRIME」
「Abema Prime」
「ミント！スペシャル　真相Ｒ特別編２０１９」（MBSテレビ）
「ヤクザ・サーガ」（VICE＆Amazon Audible）
「シャブ屋の懺悔 中毒者の闇」（ABCテレビ報道）

講演と舞台

講演活動も積極的に行い、自らの経験を語ることで、薬物問題の啓発に努めています。各地のフォーラムやイベントに登壇し、聴衆に深い感銘を与えています。

釜ヶ崎再生フォーラム 定例「まちづくりひろば」
アウトロー作家大競演「ヤクザ・歌舞伎町・ドラッグの最前線」
* 元刑務官vs元暴力団 刑務所とシャバの暮らし

まとめ

木佐貫真照は、自らの過ちを深く悔い、薬物依存者の更生支援に情熱を注いでいます。その壮絶な人生経験は、多くの人々に衝撃を与え、社会問題に対する関心を高める一助となっています。彼の活動は、過去の過ちを償い、社会貢献へと繋げる生き方を示唆しています。

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