木内みどり

木内みどりについて

木内みどり（きうち みどり）は、1950年9月25日生まれの日本を代表する女優です。愛知県名古屋市に生まれ、5人兄弟の中で育ちました。父は生命保険会社の支店長として転勤が多く、彼女は名古屋市での小学時代を経て、千葉、岐阜、鹿児島と全国を転々としながら成長しました。そのため、特定の土地に対する愛着は薄かったというエピソードがあります。

中学1年生からは東京で育ち、日大二高中退後に劇団四季研究所に入所し、演技のキャリアをスタートさせました。1971年には東宝映画『「されどわれらが日々」より 別れの詩』で映画デビューを果たし、以降はテレビドラマ、映画、舞台に多岐にわたり出演しながら、すぐに人気女優としての地位を確立しました。

1983年にはCM好感度ランキングにおいて第7位になるなど、一躍国民的人気を得ました。その後1988年に西武百貨店の経営者・水野誠一と再婚し、翌年には長女を出産。当時38歳という高齢での出産が話題になったものの、出産後13日で仕事に復帰し、両立する姿勢が評価されました。

活動を通じたメッセージ

彼女は女優活動と並行して、反原発運動にも積極的に関与しました。2001年には静岡県知事選挙に立候補し、浜岡原子力発電所の廃止を公約に掲げたものの、結果は残念ながら落選となりました。その後、坂本龍一と共にチベット支援活動「ノルブリンカ・ジャパン」を設立し、国内外の様々な社会問題に声を上げていきました。

特に2004年にダライ・ラマ法王が来日した際に行われたレセプションの司会を務めたことがきっかけで、国際的な活動の輪を広げていきました。彼女の活動は、福島第一原子力事故後にも継続され、2014年にはロンドンで脱原発集会でスピーチを行い、国のエネルギー政策に対する批判を展開しました。彼女は「私の人生は福島の事故後に完全に変わり、脱原発のためにできることはすべて行うと決心した」と述べるなど、その信念を貫いていました。

木内みどりは晩年においても活発に活動しており、2016年からは広島原爆をテーマにした絵本『おこりじぞう』の朗読などを通じて平和の大切さを伝えました。また、ネットラジオ「木内みどりの小さなラジオ」を立ち上げ、独自のインタビュー番組を展開し、さまざまなゲストとの対話を通じて複数の社会的テーマに取り組みました。

死去とその後

2019年11月18日、急性心臓死により広島市のホテルで亡くなりました。69歳でしたが、生前の彼女の希望により、告別式は家族葬という形で行われました。晩年の貢献としては、最後の仕事となった広島原爆死没者追悼平和祈念館での朗読があります。この朗読映像は、彼女への追悼メッセージを含んで上映されています。

2020年2月には友人や知人が参列した「木内みどりさんを語り合う会」が六本木で開催され、多くの人々によって彼女の功績が称えられました。その遺骨は、彼女の強い希望に基づき、静岡県の森林に散骨されています。

2022年には東京で「女優 木内みどり特集」が開催され、彼女の作品が再び多くの人々に注目されました。彼女の生涯は、女優としての成功のみならず、社会活動家としての姿勢も多くの人に影響を与えた存在でした。

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