木城ゆきと

木城ゆきと（きしろ ゆきと）は、1967年3月20日生まれの日本の男性漫画家です。本名は木城五土（きしろ いさと）といい、東京都出身で千葉県で育ち、現在は茨城県つくば市に在住しています。彼の最も著名な作品は、SF漫画『銃夢』（ガンム）であり、その緻密な作画と独特な世界観は多くのファンを魅了しています。また、弟の木城ツトム氏は、兄であるゆきと氏の専属アシスタントとして、長年にわたり制作を支えています。

木城ゆきと氏は、幼少期から絵を描くことに熱中し、小学生時代には大学ノート15冊にも及ぶ自作の漫画を描いていたと言います。1982年、茨城県に引っ越し、筑波高校に入学。美術部に所属し、この頃から漫画家になることを真剣に志しました。高校在学中に1000ページもの原稿を描き上げ、新人賞入賞を目標に漫画制作に励みました。そして、高校3年生の時、SF漫画『気怪』を第15回小学館新人コミック大賞に投稿し、見事入選を果たしました。この作品は、漫画雑誌『週刊少年サンデー』に掲載され、YUKITO名義でデビューを飾りました。

高校卒業後、木城氏は新聞奨学生として東京デザイナー学院の商業デザイン科に入学しますが、学校にはあまり通わなかったようです。その後、同人誌活動を経て、1988年から商業誌での活動を本格化させ、いくつかの読み切り作品を発表しました。この活動を通じて、後に集英社で彼の担当編集となる人物と出会い、1990年代前半には『銃夢』の原型となる作品のネームが完成しました。そして、1990年12月、隔週漫画雑誌『ビジネスジャンプ』にて、初の連載作品『銃夢』が開始されました。

『銃夢』は高い評価を得ましたが、1994年、木城氏は「ある事件」をきっかけに原稿恐怖症、対人恐怖症のノイローゼ状態に陥り、当初予定していた結末を大幅に変更せざるを得なくなりました。そして、連載は終了しました。その後、木城氏は活動の場を『ウルトラジャンプ』に移し、『灰者』や『水中騎士』を連載しました。2000年からは、同誌で『銃夢』の続編となる『銃夢 LastOrder』の連載を開始しました。しかし、『銃夢』新装版における表現問題を巡り、集英社との間にトラブルが発生。連載は中断し、『銃夢 LastOrder』は2011年に『イブニング』に移籍し、連載を継続することになりました。『銃夢 LastOrder』の連載は2014年に終了し、同年より『イブニング』にて「銃夢シリーズ最終章」と銘打った『銃夢火星戦記』を連載しています。これは現在も連載中です。

漫画以外にも、広井王子のファンタジー小説『蜃気楼帝国』の挿絵を担当するなど、幅広い分野で活躍しています。彼の作品は、緻密な作画とSF的な世界観が特徴で、読者に深い印象を与えます。

作品リスト

漫画
飛人（ひと） - 初期の読み切り作品集（全1巻）。1989年3月号『月刊コミックコンプ』に表題作が掲載。
銃夢（ビジネスジャンプ、1991年 - 1995年、全9巻、愛蔵版全6巻、新装版全7巻）
灰者（ウルトラジャンプ、1995年 - 1996年、全1巻）
水中騎士（ウルトラジャンプ、1998年 - 2000年、全3巻）※現在休載扱い
銃夢 LastOrder（ウルトラジャンプ、2000年 - 2010年、15巻、外伝1巻 / イブニング、2011年 - 2014年、4巻分、集英社初出分新装刊全12巻）
ULTRA JUMP MEGAMIX Vol.2（集英社、2007年） - 『ウルトラジャンプ』連載作家による新作読切アンソロジー
銃夢火星戦記（イブニング→コミックDAYS、2014年 - 連載中、既刊10巻）
その他
蜃気楼帝国（広井王子、挿絵担当）
木城ゆきと画集 ARS MAGNA -デビューから銃夢火星戦記まで-（講談社、2015年）

参考資料

木城ゆきと 諸作品あとがき
木城ゆきと 「ゆきとクロニクル」「ゆきとぴあ」

関連項目

銃夢ハンドル事件

外部リンク

* ゆきとぴあ - 公式ウェブサイト

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