木島俊介

木島俊介（きじま しゅんすけ）は、1939年2月27日に生まれ、2024年4月20日に85歳で逝去した、日本の著名な美術史家、美術評論家です。彼は、その専門知識と卓越した見識により、美術界において重要な役割を果たしました。

生い立ちと学歴

木島俊介は鳥取県で生まれ、1964年に慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史専攻を卒業しました。その後、同大学大学院修士課程を修了し、さらにフィレンツェ大学、ニューヨーク大学大学院、同美術史研究所で学び、西洋美術史への深い造詣を培いました。これらの海外での研究経験は、彼の後の研究活動に大きな影響を与えました。

研究活動と教育

木島俊介は、長年にわたり教育者としても活躍しました。共立女子大学文芸学部教授として教鞭をとり、2009年に定年退任し、名誉教授の称号を授与されました。彼の授業は、学生たちに美術史の奥深さと面白さを伝え、多くの人材を育成しました。

美術館運営と社会活動

教育活動に加え、木島俊介は美術館運営にも積極的に関わりました。群馬県立近代美術館館長、群馬県立館林美術館館長、Bunkamuraザ・ミュージアムプロデューサーを歴任し、その手腕を発揮しました。また、地中海学会副会長や日本美術評論家連盟常任委員も務め、学会活動にも貢献しました。2014年7月1日から2023年7月1日までは、ポーラ美術館館長として、美術館の発展に尽力しました。

著書と翻訳

木島俊介は、研究成果をまとめた多くの著書を出版しました。代表的な著作には、『ミステリアス、ピカソ 画家とそのモデルたち』、『アメリカ現代美術の25人』、『美しき時祷書の世界 ヨーロッパ中世の四季』、『クリムトとウィーン』などがあります。これらの著書は、西洋美術史における重要なテーマを扱い、専門家だけでなく一般読者にも広く読まれました。また、共著や翻訳も多く手がけ、美術書の普及に貢献しました。翻訳書には、『ピエール・ボナール』、『エドゥアール・ヴュイヤール』、『ベリー侯の豪華時祷書』などがあります。これらの著作を通じて、木島俊介は西洋美術の魅力を広く伝えました。

木島俊介の功績

木島俊介は、美術史家、美術評論家として、その学識と情熱により、多くの人々に美術の素晴らしさを伝えました。教育者として次世代を育成し、美術館運営者として美術の普及に尽力しました。彼の著作は、西洋美術史研究において重要な資料であり、その影響は今後も続くでしょう。

木島俊介の死去は、美術界にとって大きな損失であり、その業績は長く記憶されることでしょう。

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