木徳神糧

木徳神糧株式会社

木徳神糧株式会社（きとくしんりょう）は、東京都千代田区に本社機能を置く、米穀製品を基盤とした専門商社です。1882年に創業した長い歴史を持ち、現在では米穀のほか、飼料、鶏卵、食品といった幅広い分野で事業を展開しています。社名の「木徳神糧」は、創業者の木村徳兵衛氏の名前に由来しています。

沿革

同社の歴史は、明治時代に遡ります。1882年（明治15年）に「木村徳兵衛商店」として創業を開始しました。その後、事業の拡大と組織の改編を経て、1950年（昭和25年）に株式会社木村徳兵衛商店として法人化されます。翌1951年（昭和26年）には、現在の事業の柱の一つである米穀の販売事業に本格的に乗り出しました。1964年（昭和39年）には、商号を「木徳株式会社」へと変更し、社名をより簡潔なものとしました。

事業規模の拡大に伴い、品質向上と安定供給体制の構築が求められる中で、1994年（平成6年）には埼玉県桶川市に最新鋭の設備を備えた大型精米工場を建設しました。これにより、精米能力と品質管理体制を大幅に強化しました。2000年（平成12年）には、神糧物産株式会社との合併を実施し、これにより現在の社名である「木徳神糧株式会社」が誕生しました。この合併は、両社の強みを組み合わせ、事業基盤を一層強固にするものでした。

合併後の2001年（平成13年）には、株式を店頭市場に登録し、企業としての信頼性や知名度を高めました（これは現在の東京証券取引所スタンダード市場にあたります）。2002年（平成14年）には、米穀加工品として注目度が高まっていた米粉の分野に進出。米粉製造の拠点として、新潟笹神工場が完成しました。また、同年には株式会社大阪第一食糧との業務提携を結び、西日本地域における事業展開を強化しました。

グループ全体の経営効率を高めるため、2012年（平成24年）には、完全子会社であった木徳九州株式会社、木徳東海株式会社、および連結子会社であった備前食糧株式会社を吸収合併しました。組織体制のスリム化と経営資源の集中を図りました。2016年（平成28年）には、本社機能を東京都江戸川区から交通の便がより良い東京都千代田区へ移転し、業務効率の向上に努めました。その後も組織再編は進み、2021年（令和3年）には中国の木徳(大連)貿易有限公司を連結子会社とするなど、海外事業の強化も図っています。2023年（令和5年）には本店所在地を東京都千代田区内で移転し、そして直近では2024年（令和6年）にキトクフーズ株式会社を吸収合併するなど、事業環境の変化に対応するための組織改編を継続的に実施しています。

事業内容

同社は、その創業からの歴史を通じて、米穀を中心とした「食」に関わる多様な事業を手がけています。主な事業は以下の4つです。

米穀事業: 国の主食である米穀の専門商社として、国内外から多様な品種の米を取り扱っています。業務用や家庭用など、幅広い顧客のニーズに対応し、自社の精米工場での精米から流通までを一貫して管理することで、品質の高い米を安定的に供給しています。
飼料事業: 畜産や水産業に不可欠な飼料の供給を行っています。食のサプライチェーンにおいて、生産段階を支える重要な役割を担っています。
鶏卵事業: 新鮮で安全な鶏卵の流通・販売を手がけています。毎日の食卓に欠かせない鶏卵を安定供給することで、人々の健康的な食生活に貢献しています。
食品事業: 米粉製品をはじめとする米穀加工品や、その他の食品を取り扱っています。多様化する食のニーズに応えるべく、新たな食品の開発や供給にも力を入れています。

これらの事業を通じて、木徳神糧株式会社は日本の食料供給の一翼を担うとともに、人々の豊かな食生活を支えています。

関係会社

国内外に複数の関連会社を有しており、グローバルなネットワークを構築しています。

アンジメックス・キトク有限会社: ベトナム、アンザン省に拠点を置く海外子会社です。
木徳（大連）貿易有限公司: 中華人民共和国遼寧省大連市に拠点を置く海外子会社です。
キトク・タイランド会社: タイのバンコクに拠点を置く海外子会社です。
キトク・アメリカ会社: アメリカ合衆国カリフォルニア州バーリンゲームに拠点を置く海外子会社です。
* 一番保険サービス株式会社: 東京都千代田区に拠点を置く国内関連会社で、保険関連事業を手がけています。

これらの国内外の拠点を活用し、食に関する情報の収集、新たな商材の発掘、グローバルな流通網の構築を進めています。

その他

創業者の木村徳兵衛氏にまつわる事項として、日本橋梁の初代社長は、木村徳兵衛氏の次男が務めていたことが知られています。これは、創業家が多岐にわたる産業分野に関与していたことを示唆しています。

木徳神糧株式会社は、140年を超える歴史の中で培ってきた信頼と実績を基盤に、今後も食料資源の安定供給と食関連ビジネスの発展に貢献していくことが期待されています。

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