木戸川橋

木戸川橋（きどがわばし）

福島県双葉郡楢葉町を流れる木戸川には、複数の「木戸川橋」が存在します。本稿では、これらの橋梁について、それぞれの概要、沿革、特徴などを詳しく解説します。

1. 常磐自動車道 木戸川橋 (E6)

概要

全長: 1,392.5m
主径間: 66.25m
幅員: 10.0m（暫定片側1車線）
構造: 13径間+14径間（計27径間）連続PC箱桁橋
竣工: 2003年（平成15年）12月
施工: オリエンタル建設・日本ピーエス共同企業体

常磐自動車道の広野インターチェンジ（IC）から、ならはパーキングエリア（PA）の間に位置する橋梁です。2004年4月14日の常磐富岡IC延伸開業に合わせて開通しました。全長1,392mは福島県内で最長の橋梁です。橋の南詰は上小塙字中川原、北詰は大谷字堤下に位置し、北詰の近くには、ならはPAがあります。木戸川の北側では、福島県道35号いわき浪江線や、ならはスマートインターチェンジへの取付道路（楢葉町道ならはスマートインター線）と交差しています。

沿革

2004年（平成16年）4月14日: 広野IC - 常磐富岡IC間開通に伴い供用開始。
2011年（平成23年）3月11日: 東日本大震災および福島第一原子力発電所事故により通行止め。
2014年（平成26年）2月22日: 広野IC - 常磐富岡IC間の復旧に伴い再開通。

工法

この橋は、「スパンバイスパン工法」という特殊な工法で建設されました。この工法では、1個あたり60tのプレキャストセグメントを16個並べて1径間を建設します。新東名高速道路や新名神高速道路で実績のある工法ですが、この橋では、すべてのセグメントの運搬と架設に、既存の桁を利用する日本初の試みが採用されました。

隣接する橋梁

久慈川橋 - 夏井川橋 - 木戸川橋 - 井出川橋 - 熊川橋 - 羽黒川橋 - 前田川橋 - 高瀬川橋 - 請戸川橋 - 宮田川橋 - 小高川橋 - 北鳩原川橋 - 新田川橋 - 笹部川橋 - 上真野川橋 - 真野川橋 - 町場川橋 - 宇多川橋

2. 国道6号 木戸川橋

概要

全長: 110.8m
主径間: 42.0m
幅員: 8.5m
型式: 3径間鋼連続鈑桁橋
竣工: 1962年8月31日

国道6号の234.5キロポスト付近に位置する橋梁です。南詰は上小塙字大師作、北詰は北田字仏坊にあります。橋の北側には、天神岬スポーツ公園へのアクセス道路と交わる木戸川橋北交差点があります。幅員が狭く歩行者の安全に問題があったため、1984年に上り線側に幅1.8mの歩道橋が新設されました。

3. 福島県道244号小塙上郡山線 木戸川橋

概要

全長: 127.0m
主径間: 30.775m
幅員: 6.0（9.75）m
形式: 4径間PC連続ポステンT桁橋
竣工: 1993年

橋の南詰は前原字作助、北詰は北田字段ノ腰に位置しています。この橋は、下流側にある福島県道391号広野小高線の木戸川渡河部が不通となっている区間の迂回路としての役割も担っています。かつての浜街道（後の陸前浜街道）の橋梁であり、国道6号の旧道にあたります。現在の橋は、1988年度から旧橋の幅員狭小と老朽化に対応するために、緊急地方道整備事業として建設されました。総工費は8億7700万円です。

沿革

1934年: 全長30m、幅員4mの3径間RC桁橋が架けられました。
* 1993年: 現在の橋梁が架けられました。

これらの木戸川橋は、それぞれ異なる時代に建設され、異なる役割を担っています。交通網の要として、地域の発展に貢献してきた重要な構造物です。

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