木暮洋

木暮 洋(こぐれ ひろし)の野球人生

木暮洋は、1960年8月8日に生まれた日本のアマチュア野球選手です。彼の野球人生は、初めから順調だったわけではありません。木暮は桐生市立相生中学校に在籍していた頃、特に目立った存在ではなく、高校進学を前にしても野球を続けることを躊躇していた時期もありました。

彼が群馬県立桐生高等学校に入学すると、野球の実力を持つ同期・阿久沢毅との競争がありました。阿久沢は県大会で優勝した投手であり、誰もが木暮に期待を寄せることはありませんでした。しかし、関口信行監督の合理的な指導と、桐生中学を甲子園に導いた大先輩・阿部精一の助けを受け、木暮は着実に実力を伸ばしていきました。

2年生の夏には県大会でベスト8に進出し、秋の大会では県優勝を飾り、関東大会にも出場。しかし、何より大きな成果はその12年ぶりの甲子園出場でした。春の選抜では、初戦の豊見城高校に対し非常に好調なピッチングを見せ、次の岐阜高校戦や郡山高校戦では26イニング連続無失点の記録を樹立します。準決勝では浜松商業に敗れてしまったものの、チームはベスト4に進出し、「西の津田、東の木暮」と称されるほどの注目を集めました。

その後の夏の甲子園でも木暮は高い評価を受け、初戦で膳所高等学校に18-0の大差で勝利したものの、次の岐阜商業戦では0-3で敗北してしまいました。当時、ピンクレディーの「サウスポー」が流行しており、木暮はそのキャラクターで多数のファンを魅了し、甲子園のアイドルとして女子学生たちから絶大な人気を誇っていました。

木暮は高校卒業後、1年の浪人を経て早稲田大学の教育学部に進学し、硬式野球部に所属しました。大学では通算36試合に登板し、17勝10敗、防御率は2.32という素晴らしい成績を残します。特に1981年の秋には防御率1位を記録し、1982年秋にはチームのリーグ優勝に貢献。彼の活躍は大学創立100周年の記念としても大きな意味を持ちました。

同時に、彼の学生時代には蹴球部の関塚隆や競走部の坂口泰といったメンバーたちとも切磋琢磨しながら成長しました。卒業後は社会人野球の東芝に進みましたが、肩の故障に悩まされ、4年でグラウンドを去ることになりました。

その後、木暮は東芝三菱電機産業システムに勤務し、現在は野球からは離れた生活を送っています。彼の野球における偉大な成績と影響力は、高校野球ファンを中心に今なお語り継がれています。

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