木曜日は君と泣きたい。

木曜日は君と泣きたい

『木曜日は君と泣きたい』（もくようびはきみとなきたい）は、漫画家・工藤マコトが手がけた日本の漫画作品です。主に4人の大学生を中心に展開される、繊細かつ複雑な愛憎劇として描かれています。本作は、コミックスマートが運営するウェブコミック配信プラットフォーム『GANMA!』にて、2018年7月12日から2019年10月3日まで、隔週木曜日にかけて連載されました。連載終了後、物語は祥伝社から単行本としてまとめられ、全3巻が刊行されています。

あらすじ

物語は、幼馴染である千三と共に大学生活を送る相川薫の視点から始まります。女子大生として日々を過ごす薫は、自身の通う大学に在籍する現役モデル、清水零花の熱心なファンでした。しかしある日、薫は偶然にも零花が別の女性とキスしている現場を目撃してしまいます。その際、零花から「君みたいな子には、この苦しみは分からない」と言われた薫ですが、実は彼自身もまた、誰にも明かせない重大な秘密を抱えていました。

薫の秘密とは、彼が本当は男性であり、10年前に亡くなった双子の姉・楓の死を受け入れられない母のために、姉に成り代わって女装して生活しているというものでした。この事実は、幼馴染の千三などごく一部の人間しか知りません。

一方、零花は両性愛者であり、早乙女千秋という人物に強い好意を寄せていました。零花は、自身と同じ帝都大学に在籍し、駅のホームで偶然知り合った薫に、千秋との仲介を依頼します。こうして、それぞれの秘密や想いを抱えた薫、零花、そして千秋、さらに薫の秘密を知る千三という4人の若者の関係が交錯し始め、隠された真実や複雑な感情が絡み合う愛憎劇が幕を開けます。

登場人物

相川 薫（あいかわ かおる）
帝都大学経済学部の1年生として、和服を纏う女子大生の姿で日々を送っていますが、その正体は男性です。10年前に双子の姉である楓を亡くしており、姉の死を認められない母親のために、姉に成り代わって女装して生活しています。この事実は千三をはじめとする一部の人物のみが知っており、それ以外の人々には隠されています。現役モデルである清水零花のデビュー当時からの熱心なファンです。駅のホームで知り合った早乙女千秋と零花との仲介を零花本人から頼まれることになります。

清水 零花（しみず れいか）
相川薫と同じ帝都大学に通う女子大生であり、同時に現役モデルとしても活動しています。自身が両性愛者であることを公にしており、早乙女千秋に対して特別な好意を抱いています。千秋との関係を進展させたいと考え、ファンの相川薫に仲介役を依頼します。

千三（せんみつ）
相川薫と亡き姉・楓の幼馴染である男子大学生です。物語の冒頭から薫が男性であること、そして女装して生活している事情を知っている数少ない人物の一人です。薫が女性として大学生活を送る上で、様々な面から協力を惜しまない理解者です。

早乙女 千秋（さおとめ ちあき）
帝都大学経済学部の1年生です。当初、その容姿から相川薫には男子大学生のように見られていました。駅のホームで偶然相川薫と知り合ったことがきっかけで、物語に関わっていきます。清水零花から好意を寄せられる存在です。

* 相川 楓（あいかわ かえで）
相川薫の双子の姉で、故人です。物語が始まる10年前に既にこの世を去っています。生前は母親から大変な愛情を注がれていました。彼女の死が、薫が姉に成り代わるという秘密を抱える大きな要因となっています。

書誌情報

工藤マコト 『木曜日は君と泣きたい』 〈祥伝社〉、全3巻

1. 2019年4月8日発売、ISBN 978-4-396-79133-9
2. 2019年9月6日発売、ISBN 978-4-396-79141-4
3. 2020年2月7日発売、ISBN 978-4-396-79149-0

ウェブコミック配信サイト『GANMA!』にて本作の情報が公開されています。

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