木曽路 (企業)

株式会社木曽路について

株式会社木曽路は、愛知県名古屋市に本社を構える、飲食店経営を中心とした企業です。そのルーツは、1950年に松原清子が名古屋市で開業した喫茶店「喫茶松葉」に遡ります。当初は小さな喫茶店でしたが、松原正行が経営に参画後、多店舗展開を開始し、名古屋を代表する喫茶チェーンへと成長しました。

1966年には、新業態としてしゃぶしゃぶ店「木曽路」1号店をオープン。以降、喫茶店からしゃぶしゃぶ店への業態転換を進め、店舗網を拡大しました。その他にも、ファミリーレストラン「地中海」、民芸風居酒屋「居来瀬」（現：素材屋）、カフェバーなど、多様な外食ブランドを展開。1975年にはセントラルキッチンを設立し、品質向上にも努めました。1980年にはグループを合併し、現在の「株式会社木曽路」が発足しました。

全国展開と成長

1982年には東京、1987年には関西、1990年には九州へと進出し、全国的なチェーン展開を達成。教育システムを整備し、人材育成にも力を注ぎました。株式上場も果たし、2001年には東京証券取引所第1部に上場しました。

多様なブランド展開

木曽路は、「木曽路」以外にも、焼肉店「じゃんじゃん亭」、鶏料理店「とりかく」、和食レストラン「鈴のれん」、ワイン食堂「ウノ」など、様々なブランドを展開しています。また、近年では、他社の買収も積極的に行っており、2021年には焼肉店「大将軍」、2022年には食肉加工会社を子会社化しました。

沿革

1950年: 「喫茶マツバ」開業
1952年: 株式会社まつば喫茶設立
1966年: しゃぶしゃぶ「木曽路」1号店開店
1982年: 関東地区へ進出
1987年: 名古屋証券取引所2部上場、関西地区へ進出
1990年: 九州地区へ進出
2000年: 東京証券取引所市場第2部上場
2001年: 東京証券取引所、名古屋証券取引所市場第1部上場
2021年: 株式会社大将軍を子会社化
2022年: 株式会社建部食肉産業を子会社化
2023年: 株式会社大将軍を吸収合併

近年の課題

2015年には、メニューの偽装表示が発覚し、運営会社と従業員が略式起訴されました。また、2022年には、従業員の長時間労働やサービス残業問題が報じられ、2024年には労働基準法違反容疑で書類送検されています。

現状

現在は、しゃぶしゃぶ「木曽路」を主力に、多様なブランドを展開。本社は愛知県名古屋市にあり、関東、近畿にも営業所があります。工場は愛知県大府市にあり、全国に191店舗を展開しています。

株式情報

発行可能株式総数：60億株
発行済株式総数：25,913,889株
株主数：17,237人

株主優待

毎年3月31日と9月30日時点で100株以上を保有する株主に対して、優待券が贈呈されます。

主要な借入先

（詳細については、公式サイト等でご確認ください）

不祥事

メニュー偽装: 2012年から2014年にかけて、松阪牛と偽って他県産の和牛を提供していたことが発覚しました。
サービス残業・長時間労働問題: 従業員の約4割がタイムカードを正確に打刻できておらず、長時間労働やサービス残業が疑われています。2021年末には、おせち料理の製造に従事した従業員が、20時間以上連続で労働していたケースも報告されています。これらの問題を受け、2024年に労働基準法違反容疑で書類送検されました。


株式会社木曽路は、創業から70年以上が経過し、外食産業の一角を担う企業に成長しました。しかし、近年では、コンプライアンス意識の欠如や労働環境の問題など、改善すべき課題も抱えています。今後の企業としての取り組みが注目されます。

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