木本建治

木本 建治（きもと けんじ）に関する詳細

木本建治は、1940年12月21日に愛媛県に生まれた日本のラグビー選手及び指導者であり、1996年12月29日にこの世を去った。彼のラグビーキャリアは、アスリートとしての卓越した技術に加え、監督としての優れた指導力によっても知られている。

プロフィール

現役時代のポジションは[スタンドオフ]で、身長は約160cmながら、その体格とは裏腹に鋭いタックル技術は絶妙であり、そのプレースタイルから「鬼のキモケン」という異名を持つに至った。特に記憶に残るのは、監督として在任していた時に「枕ボール」という特殊なキャッチング練習用具を考案したことだ。この用具は、通常の楕円形ではなく円柱型とし、選手のハンドリングテクニックを矯正するために特注されたものである。

ラグビーキャリアの初期

彼は新田高等学校を卒業後、名門早稲田大学に進学した。大学生活の初年度となる1962年度、早大は関東大学ラグビー対抗戦のBブロックに転落するという苦境に見舞われた。この時、木本は大西鐡之祐監督のもと、主将に任命され、体制を立て直す役割を果たした。その結果、早大はBブロックで完全優勝し、このシーズンの早明戦では明治大学を17-8というスコアで撃破する歴史的な勝利を収めることとなった。

卒業後の指導者としての道

卒業後は横河ヒューレット・パッカードに入社し、ラグビーから一時の距離を置くが、1969年には第1回アジアラグビーフットボール大会に日本代表として出場。この後も早稲田大学に戻り、短期間ながら監督として活動した。しかし、その後も再び指導者としてチームを指揮するまでに時間を要することとなった。

木本の指導者としての真価が発揮されたのは、1986年度シーズンに早大監督として再任された時であった。この時、早稲田大学ラグビー部は徐々に成績が落ち込み始めており、多くの人々が「FWが弱い」と考えていたが、木本は実際にはBKを強化する必要があると判断し、適性テストを導入してFW選手をBKに転向させるなど、革新的なアプローチを行った。

初年度は優勝には至らなかったが、彼は選手たちと共に苦楽を共にし、翌1987年度シーズンには早明戦において10-7で明治大学に勝利し、対抗戦優勝を果たす。また、全国大学ラグビーフットボール選手権大会でも11年ぶりに制覇を達成するなど、早稲田大学ラグビー部の復活に力を入れた。

晩年と遺産

1995年度シーズンには3度目の早大監督として復帰。早明戦で明治大学を20-15で下し、6年ぶりの勝利を果たしたが、大学選手権で決勝に進むも敗北という結果に終わった。この試合が木本にとっての最後の試合となり、1996年12月29日に56歳という若さでこの世を去ることとなった。

木本建治の生涯は、ラグビー界に多大な影響を与え、その功績は今なお語り継がれている。彼の指導法や熱い情熱は、次世代の選手たちへと受け継がれ、ラグビーというスポーツの発展に寄与し続けている。

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