木札

木札とは、木材の板に文字や図柄を刻んだり、書いたりしたものです。その歴史は古く、かつては「消し札」と呼ばれるものがあり、これは災厄を避けるための身代わりとして用いられていました。

現代では、千社札のような木札が広く作られ、キーホルダーやストラップとして親しまれています。材質としては、一般的な木材から銘木まで様々なものが使われますが、木目が美しく、表面が滑らかなものが好まれる傾向にあります。具体的には、ヒバ、けやき、桜、つげ、紫檀、黒檀などがよく用いられます。

木札に刻む文字や図柄は、刃物で削ったり、焼印を押したりして表現されることが多いです。文字の書体としては、勘亭流、江戸文字、寄席文字などがよく使われます。また、祭りなどで使われる木札や、家紋を彫ったもの、密教系の寺院では梵字（種子）を刻んだものも見られます。

木札は、その素材、加工方法、デザインによって、多様な表情を見せる工芸品と言えるでしょう。古くからの伝統を受け継ぎながら、現代のライフスタイルにも溶け込むアイテムとして、多くの人に愛されています。

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