神札

神札（ふだ）とは

神札（しんさつ）とは、神社が氏子などに頒布する授与品のことです。御神札（ごしんさつ）やお札（おふだ）とも呼ばれ、神社から下賜されるものの中で最も重要な神の璽（しるし）とされています。ここでは、神社で崇敬している対象、また下賜された神札も同様の意味で解釈されます。

神札は、神社によっては守札（まもりふだ、しゅさつ）や神符（しんぷ）とも呼ばれます。その他に下賜されるものとしては、御守（お守り、守札）や撤饌（おさがり、神前へ供えられた食品や神酒）があります。

神札の種類と特徴

神札は、紙製であることが多いですが、神社によっては木製（木札＝きふだ）や金属製のものもあります。形状も様々で、紙1枚のものもあれば、和紙に折りたたんで中に神札を封印してあるもの（紙札＝かみふだ）もあります。紙札の場合は、開封は厳禁です。

表面には、神社名や祭神名が書かれています。

神札の歴史

日本における「お札」やお守りの配布は、鎌倉時代から始まったとされています。これらは、道教の符録を日本化して利用したのが始まりです。1868年（慶応4年）の神仏分離以前は、神道以外の神を祭祀していた神社もあり、現在も仏教寺院と同様に護符として扱っているところがあります。

神札の一般的な取り扱い方

通常、神札は神社に併設されている社務所や札所で頒布されています。伊勢神宮の内宮の神宮大麻に限っては、大きな神社であれば頒布されています。神札を受ける際には、対価として「初穂料を納める」と言います。

年始など大切な参詣の際に、古い神札を「返納」し、新しい神札を頂いて持ち帰ります。そして、自宅の重要な位置に設置してある神棚に納め、1年の間大切に祀って家内安全・無病息災などを祈ります。

神棚がない場合でも、自分の目線より高い位置に置いて祀ればよいとされています。神札の種類によっては、台所（荒神、竃神など）、玄関（大歳神、門守りなど）、鬼門（災厄除け、方位除け）の方角に置くものもあります。

1年後、また参詣の折に神札を返すことを繰り返します。

近年では、参詣の記念品として持ち帰るだけの利用者もいます。また、千社札を神社の神域内に貼り付ける行為が見られますが、神社の許可を得なければなりません。

祈祷神符

神社で祈祷を受けた時に受ける神札は、祈祷神符と呼ばれることもあります。祈祷神符は神棚へ納められるものは神棚へ納めます（神社や地域によって違いがあります）。

熊野三山で頒布される熊野牛王符（牛王宝印）は、平安時代から近世には裏面が起請文に用いられました。

守札（お守り）

守札は通常「お守り」と呼ばれ、錦などで作られた袋に入れられた状態で頒布されています。元々は陰陽道や寺院で作られたものが神道にも導入されたものです。今日でも、寺院でも神社と同様の守札が頒布されています。

お札が家庭の鎮守であるのに対し、守札は身につけて個人的に神の守護を願うものです。

関連項目

• - 神宮大麻
• - 熊野牛王符

もう一度検索