木村彦右衛門

木村彦右衛門

木村彦右衛門（きむら ひこえもん、1879年2月5日 - 1933年3月31日）は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本の商人（薬種商）、成見屋薬局の経営者、そして薬学者です。正七位勲六等、薬学博士の学位を持ち、大阪薬学専門学校の校長、大阪府薬剤師会長、日本薬剤師会副会長を歴任しました。大阪府平民出身です。

生い立ちと学問

大阪府で生まれ、幼くして両親を亡くしましたが、類まれなる記憶力を持っており、4歳で百人一首を暗唱したと伝えられています。1883年1月、家督を相続し、先代の彦右衛門を襲名しました。

1893年には大阪共立薬学校に入学し、薬学の道を志しました。その後、1899年に第五高等学校医学部薬学科（現在の長崎大学薬学部）を卒業。一年間の志願兵としての入隊を経て、東京帝国大学医科大学で薬学の研究に打ち込みました。特に長井博士のもとで薬化学の研究に5年間従事しました。

軍務と留学

日露戦争の際には、三等薬剤官として従軍し、後に二等薬剤官に進級しました。1907年11月には、薬学研究のためドイツへ留学し、ベルリン大学で薬学と化学の研究に励みました。

帰国後の活躍

1913年4月に帰国。同年5月には論文を提出し、薬学博士の学位を取得しました。その後、薬局経営を行う傍ら、木村理化学研究所を設立し、研究活動にも力を注ぎました。

1933年3月31日、55歳で生涯を閉じました。当時の住所は大阪市南区九郎右衛門町にあり、遺族の家は大阪市天王寺区小宮町にありました。趣味は和歌、俳句、音楽と多才でした。

家族

木村家は大阪府平民の家柄でした。妻はエイ（1886年 - ?）で、廣谷佐兵衛の長女です。長女にイナ子（1913年 - ?）、他に二人の娘がいました。

参考文献

第五高等学校編『第五高等学校一覧 明治32-33年』梅田平次郎、1889 - 1912年。
人事興信所編『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年。
人事興信所編『人事興信録 第5版』人事興信所、1918年。
ルーブル社出版部編『大日本人物名鑑（巻4の1）』ルーブル社出版部、1921 - 1922年。
人事興信所編『人事興信録 第7版』人事興信所、1925年。
人事興信所編『人事興信録 第9版』人事興信所、1931年。
薬石日報社編纂『薬業年鑑 昭和10年』薬石日報社、1935年。
薬石日報社編『薬業年鑑 昭和14年度』薬石日報社、1938年。

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