木村清司

木村清司

木村清司（きむら せいじ）は、1896年10月12日に生まれ、1980年10月18日に亡くなった、日本の内務・厚生官僚、そして弁護士です。福井県知事を務めた経歴も持ちます。

生い立ちと初期のキャリア

新潟県出身で、長岡市長であった木村清三郎の長男として誕生しました。第一高等学校を卒業後、1920年10月に文官高等試験行政科試験に合格。1921年には東京帝国大学法学部法律学科（独法）を卒業しました。卒業後は農商務省に入省し、工務局に配属されました。

官僚としての活動

農商務省では、工場監督官や鉱務監督官を歴任。1926年には国際労働会議に政府代表顧問として参加しました。その後、秋田県書記官・総務部長、内務省地方局財務課長などの要職を歴任しました。1939年4月には福井県知事に就任し、戦時体制の整備に尽力しました。1940年12月には厚生省保険院社会保険局長に転任し、1942年4月までその職を務めました。

退官後の活動

厚生省を退官した後は、重要物資管理団理事、名古屋市助役などを務めました。戦後には、地方財政委員会委員や地方財政審議会委員として地方財政に貢献。1961年には弁護士として登録し、法律家としての活動も開始しました。

著作活動

木村清司は、官僚としての経験を活かし、以下の著作も発表しています。

『労働者募集取締令釈義』清水書店、1926年。
『労働保護法』〈解釈法令叢書;第3〉日本評論社、1936年。
『財務行政 上』〈自治行政叢書;第6巻〉常磐書房、1937年。

これらの著作は、当時の労働法制や財務行政に関する貴重な資料となっています。

栄典

1940年（昭和15年）8月15日、紀元二千六百年祝典記念章を受章しています。

まとめ

木村清司は、内務・厚生官僚として地方行政や社会保険制度の発展に貢献し、福井県知事としても手腕を発揮しました。戦後は弁護士として活躍する傍ら、地方財政にも尽力するなど、多岐にわたる分野でその才能を発揮しました。彼の業績は、日本の行政史や法制史において重要な位置を占めています。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年～平成23年 1 (政治・経済・社会篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年。

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