木村隆文

木村隆文：青森山田学園をスポーツ強豪校へ導いた教育者

木村隆文（きむら たかふみ）は、1940年1月2日に生まれ、2011年11月28日に逝去した日本の教育者です。学校法人青森山田学園の理事長、青森山田高等学校の校長を歴任し、スポーツ振興に大きく貢献しました。特に卓球、野球、サッカーにおいては、青森山田高等学校の名を全国に知らしめるほどの功績を残しました。また、日本卓球協会副会長も務め、卓球界では10段を授与されるなど、その功績は多岐にわたります。

経歴

青森県出身の木村隆文は、青森県立青森高等学校、日本大学法学部を卒業後、1962年に母親が校長を務めていた青森山田高等学校の教諭となります。1995年には校長に就任し、スポーツ分野に注力しました。渋谷良弥（野球）、吉田安夫（卓球）といった優秀な指導者を招き、また、優れた生徒を集めることで、バドミントン、卓球、サッカー、野球などの分野で目覚ましい実績を上げました。

2002年には青森山田学園の理事長に就任。2007年には高校野球の特待生問題を検討する東北地区特待生問題私学検討部会の代表を務めました。2009年1月には、オリコと提携し、青森山田学園が運営する青森大学、青森短期大学・専門学校の学費分割払いサービスを開始するなど、学園運営にも手腕を発揮しました。しかし、2011年8月には青森短期大学の次年度からの募集停止を発表し、同年11月28日、71歳で自宅にて永眠しました。

青森大学偽装留学問題

木村隆文の理事長在任中には、青森大学で偽装留学問題が発覚しました。2007年から2010年にかけて、通学実績のない中国人留学生が大量に在籍し、不正に奨学金を受給していたというものです。大学側の内部調査により、152人の中国人留学生が除籍される事態となりました。文部科学省への報告書では「理事長の主導は否定しがたい」との指摘があり、学園は外部調査委員会を設置。しかし、最終的には理事長・学長双方の責任を問う形で処分が決定され、木村隆文自身も減俸処分を受けました。

人物

木村隆文は、青森山田学園創設者である山田きみの孫にあたります。2001年からはエフエム青森のラジオ番組にレギュラー出演し、親しみやすい人柄で多くの人に慕われていました。番組は木村の逝去に伴い終了しましたが、彼の功績は多くの人々の記憶に残っています。2012年2月23日には、青森大学で学園葬が執り行われ、約2,400人が参列し、その死を悼みました。

木村隆文は、青森山田学園の発展に大きく貢献しただけでなく、スポーツを通じて多くの若者の育成に尽力した教育者でした。彼の情熱とリーダーシップは、これからも青森山田学園の歴史に深く刻まれることでしょう。

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