木津川口の戦い (1614年)

木津川口の戦い

木津川口の戦いは、1614年（慶長19年）の大坂冬の陣における最初の戦闘として知られています。この戦いは、徳川家康が豊臣家に対して行った一連の権力闘争の中で起こりました。

戦いの背景

大坂冬の陣は、徳川家康による豊臣家への圧力が強まる中で発生しました。木津川口の戦いは、その緒戦として位置づけられ、両軍の対立が激化する中で起こりました。

戦闘の経過

11月9日未明、徳川家康の命を受けた蜂須賀至鎮、浅野長晟、池田忠雄らの軍勢が、木津川口の砦を攻撃しました。また、幕府船奉行および徳川義直、池田利隆らの軍船は、伝法川口の新家を奇襲しました。木津川口の砦の正確な位置は不明ですが、現在の道頓堀川口付近と考えられています。

豊臣方は、明石全登に800の兵を与えて守備させていましたが、東軍は砦からの炊煙が少ないことから、守備が手薄になっていると判断し、奇襲を決定しました。明石全登が軍議のために大坂城へ赴き、留守にしていたことも、東軍にとって有利に働きました。

蜂須賀、浅野、池田らの兵3,000余は、水陸二手に分かれて進軍しました。木津川から迫った40隻の軍船が大坂方の番所を襲撃すると同時に、陸路からの軍勢も一斉に攻撃を開始し、砦は東軍の手に落ちました。

一方、伝法川口では、幕府船奉行の向井忠勝が指揮する50隻以上の大船、安宅船、早船などが、往来する船舶の検問を行っていました。新家に敵船を発見したため、徳川義直、池田利隆らの兵船とともに敵船を追い、この地も占領しました。

戦いの結果

大坂方は、木津川口の砦と新家の輸送拠点を失い、大坂城と大坂湾を結ぶ水上補給路を遮断されました。これにより、大坂城は物資の供給において大きな打撃を受けました。

この戦いは、大坂冬の陣における最初の重要な戦いであり、東軍が優位に立つための重要な一歩となりました。木津川口の戦いでの敗北は、大坂方にとって戦略的な痛手となり、その後の戦局に大きな影響を与えました。

参考文献

二木謙一『大坂の陣―証言・史上最大の攻防戦―』（中央公論社、1983年）

関連項目

大坂の陣

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