木田川奎彦

木田川奎彦（きたがわ ふみひこ / けいひこ）

生涯

木田川奎彦は、1873年（明治6年）1月19日に生まれ、1951年（昭和26年）3月30日に没した日本の官僚です。旧姓は桑名。会計検査院や内務省で要職を歴任し、奈良県知事、小樽市長を務めました。

生い立ちと初期のキャリア

福井県坂井郡で桑名金五郎の三男として生まれ、後に木田川梅吉の養子となりました。福井中学校を卒業後、1900年11月に文官高等試験行政科試験に合格。同年12月には農商務省に入省し、農商務属として鉱山局に配属されました。

会計検査院での活躍

1901年1月、木田川は会計検査院に転じ、検査官補として第一部第二課に勤務しました。その後、同院で書記官兼検査官補などを務め、会計検査の専門家としてのキャリアを積みました。

内務省でのキャリア

1909年8月、内務省に転じ、内務大臣秘書官兼内務省参事官に就任。内務事務官、神奈川県港務部長、同内務部長などを歴任し、内務行政の中枢で活躍しました。

奈良県知事時代

1915年7月1日、奈良県知事に就任。在任中は、米騒動への対策や第一次世界大戦後の不況対策として緊縮財政を推進しました。1922年10月16日に知事を休職し、1923年3月3日に依願免本官となり退官しました。

欧米視察

退官後、1923年4月から1924年4月まで内務省・朝鮮総督府嘱託として欧米各国を視察し、地方行政に関する見識を深めました。

小樽市長時代

1925年9月19日、小樽市長に就任。公正な市政を推進し、市民から広く支持されました。市長として二期を務め、港湾施設や道路の整備、陸軍運輸部の誘致、産業振興補助金の制定、失業対策などを実施しました。しかし、市会での賛成派が減少し、事業遂行が困難になったため、任期途中の1932年11月11日に辞任しました。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
歴代知事編纂会編『日本の歴代市長』第1巻、歴代知事編纂会、1983年。
内閣「木田川奎彦北海道小樽市長ニ就任ノ件」大正14年。国立公文書館 請求番号：本館-2A-019-00・任Ｂ01265100

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