木畑洋一

木畑 洋一 (きばた よういち)

木畑洋一（1946年10月11日生まれ）は、日本において著名な歴史学者であり、その専門分野は主にイギリス現代史と国際関係史です。東京大学と成城大学の名誉教授として多くの教育と研究に従事しました。

経歴

岡山県に生まれた木畑は、岡山県立岡山操山高等学校を卒業後、1968年にイギリスのウォーリック大学に留学しました。この留学はサンケイスカラシップによって支援され、1970年に東京大学教養学部のイギリス分科を卒業しました。さらに、1972年には社会学研究科で国際関係論専攻の修士課程を修了しました。その後、博士課程を中退し、東京大学教養学部助手に就任。その後、1977年には東京外国語大学で専任講師としてのキャリアをスタートさせました。

木畑は1983年から東京大学教養学部の助教授となり、1992年には教授に昇進しました。また、2002年から2004年まで東京大学の評議員を務め、2005年から2007年まで大学院総合文化研究科長と教養学部長を兼任し、歴史学研究会の委員長としても活躍しました。2009年には定年退任し、その後も成城大学法学部の教授として2016年まで教壇に立ち続けました。

受賞歴

1997年には著書『帝国のたそがれ』で大平正芳記念賞を受賞し、2012年には紫綬褒章を受章しました。これらの受賞は、木畑の歴史学への貢献を評価するものであり、彼の業績が広く認知されていることを示しています。

研究および活動

木畑は左派歴史学者として知られ、自由主義史観研究会への批判や新しい歴史教科書をつくる会の批判に関与してきました。また、沖縄戦における集団自決の記述削除反対や、日韓併合の不当を主張する声明にも参加しています。特に、慰安婦問題における加害の事実に真摯に向き合う姿勢は評価されています。

著書

木畑は多数の著書を持ち、特に以下の作品が代表的です：

• - 『支配の代償――英帝国の崩壊と「帝国意識」』 (1987年)
• - 『帝国のたそがれ――冷戦下のイギリスとアジア』 (1996年)
• - 『国際体制の展開』 (1997年)
• - 『第二次世界大戦――現代世界への転換点』 (2001年)
• - 『イギリス帝国と帝国主義―比較と関係の視座』 (2008年)
• - 『二〇世紀の歴史』 (2014年)
• - 『チャーチル―イギリス帝国と歩んだ男』 (2016年)
• - 『帝国航路（エンパイアルート）を往く　イギリス植民地と近代日本』 (2018年)

また、共著や編著も多数あり、学術界に多方面から貢献しています。彼の研究は、歴史学や国際関係の理解において極めて重要な位置を占めています。彼の業績は日本史学界において不可欠であり、今後の研究に対する基盤を築いています。

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