木藤年延

木藤年延（きふじ としのぶ、生没年不詳）は、明治時代に活動した浮世絵師です。

来歴

木藤年延は、月岡芳年の門人であり、東京出身とされています。明治4年（1871年）に芳年が制作した作品に「校合」または「助筆」として名前が確認できます。また、明治31年（1898年）に建立された月岡芳年翁之碑にも「芳年門人」の一人として「木藤年延」の名が刻まれています。

しかし、これらの記録以外には、木藤年延の詳しい経歴や作風に関する情報はほとんど残されていません。そのため、彼の生涯や浮世絵師としての活動の実態については、不明な点が多く、今後の研究が待たれるところです。

作品

現在確認されている木藤年延の作品はごくわずかです。

「東京料理頗別品　芝金杉　三島屋」：大判錦絵揃物の一部で、ボストン美術館に所蔵されています。この作品は芳年が描いたもので、木藤年延は「校合 年延」として制作に関わっています。
「高縄鉄道之図」：大判錦絵3枚続で、静岡県立中央図書館に所蔵されています。この作品でも、芳年の作画を「助筆　年延」としてサポートしています。

これらの作品から、木藤年延は芳年の下で技術を磨き、師の作品制作を支える役割を担っていたと考えられます。しかし、彼自身の個性が発揮された作品は、現在のところ確認されていません。

参考文献

木藤年延に関する情報は、以下の文献に掲載されています。

日本浮世絵協会編『原色浮世絵大百科事典』（第2巻）大修館書店、1982年
菅原真弓『月岡芳年伝　幕末明治のはざまに』中央公論美術出版、2018年

これらの文献は、木藤年延について知る上で貴重な情報源となります。

木藤年延は、月岡芳年の門人としてその名が残るものの、その生涯や作品については謎に包まれた部分が多い浮世絵師です。今後の研究によって、彼の活動の実態が明らかになることが期待されます。

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