未婚化

未婚化とは

未婚化とは、生涯にわたって結婚という選択をしない生き方を指します。晩婚化と並んで少子化の主要な要因とされており、社会構造の変化と深く関連しています。特に日本では、男女間で所得と未婚率の関係に大きな違いが見られます。

日本における未婚化の現状

日本の都道府県別データを見ると、男性は所得が高いほど未婚率が低く、逆に女性は所得が高いほど未婚率が高くなる傾向があります。特に若年男性の貧困化や格差拡大は、未婚率の上昇と夫婦間の出生数減少に直結しています。年収400万円を下回る男性の生涯未婚率は高く、一方、年収が男女平均を超える女性は未婚率が著しく上昇しています。高年収の未婚女性の多くは首都圏在住であり、東京圏が未婚女性のアリジゴクとも言われる状況です。

未婚率の推移

江戸時代には男性の生涯未婚率が50%近くに達していた記録もありますが、明治時代以降は皆婚社会となりました。しかし、1990年代以降、バブル崩壊と経済不況、女性の社会進出、そして結婚に対する上昇志向が複合的に影響し、未婚率は上昇の一途を辿っています。

国勢調査によると、1990年までは5%以下だった未婚率は、2000年代以降に急増し、2022年には男性28.3%、女性17.8%に達しました。この傾向は今後も続くと予想されており、2035年には男性約29%、女性約19%まで上昇すると推計されています。また、平均初婚年齢も上昇しており、晩婚化も深刻化しています。

未婚化の背景にある要因

2018年の調査では、未婚の理由として男女共に「出会いがない」が最も多い回答でした。特に男性は「経済的な事情」を挙げる人が多く、女性は「経済的な事情」を挙げる人は少ない傾向にあります。また、高年収の女性は自身のキャリアを重視する傾向が強く、結婚を必ずしも必要とは考えていない人も多いようです。このような男女間の価値観のずれも、未婚化を加速させる要因の一つと言えるでしょう。

生涯未婚率とは

生涯未婚率とは、50歳時点で一度も結婚をしたことがない人の割合を指します。これは、50歳を過ぎてから結婚する人が少ないことから、この年齢の未婚率を生涯未婚率として捉えるためです。

未婚化と新たな共同生活

未婚化が進むにつれて、シェアハウスやルームシェアなど、新たな共同生活の形も生まれています。これらの形態は、経済的な負担を軽減しながら、社会的なつながりを保つ手段として、特に若年層の間で広がっています。

未婚化がもたらす影響

未婚化は、少子化、人口減少、地域社会の活力低下など、様々な社会問題を引き起こします。また、経済的な観点から見ると、税収の減少、社会保障費の増大など、国全体の財政状況を悪化させる可能性も指摘されています。そのため、未婚化対策は喫緊の課題であり、政府や自治体、民間団体などによる様々な取り組みが求められています。

関連語彙

非婚社会: 結婚しない人が増えている社会の形態
未婚者: 結婚経験がない人
独身者: 現在配偶者がいない人（離別・死別者を含む）
マリッジ・スクイーズ: 結婚適齢期の男女の人口バランスが崩れている状態

まとめ

未婚化は、個人の選択だけでなく、経済状況、社会構造、価値観の変化など、様々な要因が複雑に絡み合って生じる現象です。未婚化が進行すると、社会全体に大きな影響を与えるため、個人だけでなく社会全体で取り組む必要があります。

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