未来町内会

『未来町内会』は、「週刊少年マガジン」で2006年から2008年まで連載された、野中英次による日本のギャグ漫画作品です。全87話で、各話のサブタイトルはTV番組のタイトルを引用、または改題したものとなっています。

概要

本作は、未来を舞台にしながらも、連載当時とさほど変わらない町並みが特徴です。しかし、隣町の那野町が発展していく中で、未来町は取り残された町という設定が加わります。関口太郎の登場以降は、田尻が関口に地味な職を勧める台詞が頻繁に見られ、芸能界やスポーツでの成功を描いたサクセスストーリーに対するアンチテーゼとして描かれています。

前作ほどのヒットには至らず、短期間で連載終了となりました。

あらすじ

舞台は2076年の東京。未来町の町内会長に就任した電気店を経営する田尻清が、町を活性化させようと奮闘するものの、話は予想外の方向に脱線していきます。救世主として現れた関口太郎や、戦隊ヒーロー・ウチキリマンなど、個性的な未来町の人々との奇妙な日常がコミカルに描かれています。

主な登場人物

田尻家

田尻清（たじりきよし）
本作の主人公。有限会社田尻電機の社長でありながら、コンビニ店員としても働いています。社員ゼロの会社の社長であるため、ネクタイを締めたサラリーマンに憧れを抱いています。成り行きで未来町の町内会会長に就任し、町を盛り上げるために奔走します。数々のユニークな電気製品を発明する一方、未来町内会オリジナルの球技「タジリザルボール」の考案者でもあります。しかし、後に海外にも「スティーブンザルボール」という類似の球技が存在することが判明します。就寝時にはナイトキャップを愛用。家族構成は妻と二人の子供がおり、家族の年齢は判明していますが、主人公である田尻清本人の年齢は最後まで不明です。
田尻菊江（たじりきくえ）
清の妻。37歳。夫が子供たちに変なことを教えようとするのを注意するものの、結局は受け入れてしまいます。
田尻春彦（たじりはるひこ）
清の長男。12歳。父親の言動に対して鋭いツッコミを入れることが多く、年相応にわがままな面もありますが、父親よりも常識的な考えを持っています。
田尻良江（たじりよしえ）
清の長女。10歳。いつもストローでドリンクを飲んでいます。

未来町の人々

山崎（やまざき）
未来町町内会の副会長。
大谷紳二郎（おおたにしんじろう）
町内会役員で喫茶店「ブラック・サバス」の副店長。額のホクロが特徴で、基本的にツッコミ役ですが、町内会の中では比較的まともな存在です。
舟木（ふなき）
刑事。未来町内会メンバーであり、ザルボールの審判員を務めます。関口太郎の格闘センスを見抜きます。
小島正俊（こじままさとし）
講談大学の2年生。関口と同時期に町内会に入会し、田尻電機でアルバイトをしています。ザルボールではフォワードを担当。一発ギャグ「アジャぽ〜!」が持ちネタの芸人志望ですが、お笑いの才能は関口の方があるようです。プロレス好きで、関口とプロレス談義で盛り上がります。関口の漫画家デビューに劣等感を抱き、漫画の巻末コメントを担当することになります。

救世主関係

関口太郎（セキグチタロウ/セキグチタロー）
世紀末の時代からタイムスリップしてきた救世主。「関口流破壊拳」の使い手ですが、現代では全く役に立たず、田尻電機でアルバイトをしています。田尻からは電気屋の資格取得を、小島からは芸人の道を勧められていますが、本人は漫画家を目指しています。アフロヘアーはカツラで、火事の際にはバケツ代わりにもなります。

その他

アレックス
黒人男性。野球に似た球技「スティーブンザルボール」の考案者。
熊とネコが合わさったヤツ
田尻が子供たちとペットショップに行った際に出会った謎の生物。熊のような胴体と、熊と猫が混ざったような顔をしています。価格は2万5千円。
鬼山（おにやま）
未来町を乗っ取ろうと企む地上げ屋のボス。冷酷非道な性格のはずですが、どこか抜けているところがあります。
ギリギリ戦隊ウチキリマン
未来動物公園でヒーローショーを演じる役者たち。
人OS（ひとおーえす）
2076年版の最新型OS。人工知能を持ち、会話ができます。パソコン内に住んでいるという設定ですが、途中から現実世界にも出現します。魁!!クロマティ高校の竹之内豊に似た外見をしていますが、物腰は丁寧です。

単行本

講談社コミックスから全4巻が発売されています。

外部リンク

* 未来町内会（マガメガ内）

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