野中英次

野中英次

野中英次（1965年2月21日生まれ）は、東京都出身の日本の漫画家。

経歴

1989年、『SUPER BASEBALL CLUB』でデビュー。同作は『ヤングマガジン増刊黒ブタルーキー号』に掲載され、翌年から1991年まで『ヤングマガジン海賊版』で連載されました。5年のブランクを経て、1996年より『ミスターマガジン』で『課長バカ一代』を連載開始。これは2000年の同誌休刊まで続く長期連載となりました。

同時期には、『モーニング』で『ドリーム職人』、『しゃぼてん』を発表しています。

『課長バカ一代』終了後、『週刊少年マガジン』に移籍した担当編集に誘われ、『魁!!クロマティ高校』の連載を開始。この作品で2002年に第26回講談社漫画賞を受賞しました。アニメ化や実写映画化など、様々なメディアミックスが展開されるヒット作となりました。

その後、2006年から2008年にかけて『週刊少年マガジン』で『未来町内会』を連載。

並行して『イブニング』で『ハタキ』、『good!アフタヌーン』で『赤い空 白い海』を発表しましたが、いずれも長期休載となり未完の状態です。

2009年からは『週刊少年マガジン』で原作のみを担当する形で『だぶるじぇい』の連載を開始（作画は亜桜まる）。

2011年には『クロマティ高校』以来のアニメ化を果たしましたが、同年内に連載を終了しています。

『赤い空 白い海』の長期休載以降は長らく作品を発表していませんでしたが、2018年に『マガジンポケット』にて『魁!!クロマティ高校』の続編『魁!!クロマティ高校職員室』を原作担当(作画は井野壱番)として7年ぶりの連載を開始しました。

特徴

ギャグ

シュールなギャグや「あるある話」を多用します。また、池上遼一の絵柄に似せた画風も特徴的で、これは意図的なギャグの一環です。池上自身も野中の絵柄が自身の作品に酷似していることを認識し、容認しています。

「やる気のない漫画家」

野中は自身の漫画に対し極端に無関心で、キャラクターにも愛着がないという態度を示しています。これは一種の演出であり、読者を食ったような独特の魅力を放っています。

デビュー作『SUPER BASEBALL CLUB』は、投稿時に原稿の約半分が下書き状態でした。
自分の漫画が高く評価され、ゲームやアニメ、実写作品が作られても無関心（アニメ化されたにもかかわらず「見てない」と言い切る）。講談社漫画賞を受賞した際は、初代受賞者が手塚治虫であったことを知り、「自分が受賞したらまずい」と思った。
『魁!!クロマティ高校』の単行本のおまけコーナーやカバーでの編集者との会話でも、やる気のなさをアピール。主人公の神山やメカ沢に対して「むしろ壊したい」と発言したり、登場人物の多さを他人事のように苦言を呈する。
コミックスのあとがきにて「まんが…あんまり好きじゃないんだけど」と発言。
「やる気がないので全くカラーを描こうとしない」として、デザイナーに作中のカットを寄せ集めたものを表紙にしたり、若手漫画家に関口太郎にデジタル彩色を依頼したりする。
単行本の担当が遅刻した際には、連載の担当編集者が作中のカットを使ってカバーを製作。
単行本のデザイナーが遊びで、作者や動物の写真を勝手にカバーに入れることも容認。
過去の作品のキャラクターが姿や設定を変えて登場するのは、スター・システムやファンサービスではなく「使いまわし」だと主張。
短編『ラブのな』では、編集者と話し合いをする自分の分身「のなーえいじ」を登場させている。この分身は作者同様に人気がなく漫画に思い入れはないが、豪華な屋敷に住んでいる。『魁!クロマティ高校』の本編に登場したこともある。
『週刊少年マガジン』で『魁!!クロマティ高校』の連載を開始した理由は「（当時のマガジンに）巻末コメントがなかったから」とし、導入後は「特にありません。」を連発。
『未来町内会』の連載開始時には「頑張ります。」とコメントしたものの、その後は「特にありません」を連発し、広告募集や担当が代わりに書く事態に。最終回では「初めてですが、これで最終回です」とコメント。
『だぶるじぇい』の作画担当である亜桜まるとは一度も会ったことがない。
連載漫画の最終回では物語をまとめる展開が多い中、これまでの作品では普通の内容で終わることが多かった。『課長バカ一代』に至っては、掲載誌の休刊により展開や描写を台無しにするような内容であった。『だぶるじぇい』は初めて物語をきちんと完結させた作品。
休載は少ない方である。

エピソード

Mr.Childrenのメンバーが『クロマティ高校』を愛読しており、『別冊カドカワ』で特集された際に読切作品『果てしない闇の向こうに』が掲載された（ミスチルと北島三郎を勘違いしていたという内容）。後にメンバーは野中にサイン色紙を送った。
塀内夏子が、キャラクターのファン投票の葉書を送ったことがある。
高橋留美子の『うる星やつら』完全版の企画で、主人公ラムのイラストを描いた。資料を見ずに描いたと述べている。
池上遼一は、自身の絵柄をパロディ化していることを知り、「自分の亜流が出てくるということは、それだけ自分の作品が認知されて有名になったということなので嬉しかった」と語った。メカ沢新一と北斗武士を描いたパネルを野中に贈っている。
『課長バカ一代』と『魁!!クロマティ高校』は小説化されている。

作品リスト

漫画

SUPER BASEBALL CLUB
課長バカ一代
ドリーム職人
しゃぼてん
魁!!クロマティ高校
未来町内会
ハタキ
赤い空 白い海
最強!FANTAバンド伝説
ラブのな

原作のみ

メカ沢くん
だぶるじぇい
魁!!クロマティ高校職員室

イラスト

小説 課長バカ一代 - THE NOVEL
小説 魁!!クロマティ高校 - それから -
おバカな自分をおりこうに見せる技術
うぬぼれ刑事

アシスタント

* ダイナミック太郎

もう一度検索