未来研スタジオ

未来研スタジオ（みらいけんスタジオ）

未来研スタジオ（MIRAIKEN studio）は、東京都港区にあるバンダイナムコエンターテインメント本社の、バンダイナムコ未来研究所4階に設けられた社内スタジオです。この施設は、次世代のエンターテインメントを生み出し、世界へ向けて発信するための拠点として、2021年5月26日にその運用を開始しました。

設立の背景と目的

スタジオ開設の背景には、新型コロナウイルスのパンデミックによる社会状況の変化がありました。この状況下で、エンターテインメントが持つ重要性や、ゲームなどのIP（知的財産）を起点に生まれるコミュニティの力が改めて強く認識されました。これにより、オンラインを通じた新たなエンターテインメント体験をさらに充実させていく必要性が高まり、そのための具体的な拠点として本スタジオが設立されました。

設備と機能

未来研スタジオは、「A studio」と「B studio」の二つの空間で構成されています。その中でも特に注目されるのが「A studio」の設備です。

「A studio」は、壁面3面と床面1面の合計4面が巨大なLEDディスプレイで囲まれている点が大きな特徴です。壁面には4K解像度に対応した高精細な2.6mmピッチのLEDパネルが使用されており、ゲーム映像などの高画質コンテンツを非常に鮮明に表示することが可能です。壁面3面はそれぞれ横5.5メートル、縦3.0メートルのサイズを持ち、床面は横12.8メートル、奥行き5.5メートルで4.0mmピッチのLEDが敷き詰められています。これら4面のLEDディスプレイの総面積は107平方メートルに及びます。

また、スタジオにはxR（クロスリアリティ）技術やリアルタイムモーションキャプチャシステムが完備されています。これらの技術とLEDディスプレイを組み合わせることで、バンダイナムコエンターテインメントが運営するバーチャル空間やゲーム、ライブ映像素材などと現実世界の映像を合成・拡張する「LEDxR」システムが構築されています。このシステムを活用することで、バーチャル空間内に現実の演者が存在するような臨場感あふれる演出が可能となり、物理的に離れた場所にいる演者や視聴者同士が、バーチャル空間を介して感情を共有できるようなインタラクティブな体験を提供します。

運用と利用状況

未来研スタジオは、主にバンダイナムコグループに属する企業が利用することを想定して運用されています。しかし、同グループが主要なスポンサーとなっている外部企業制作の番組など、特別なケースでは外部利用が行われることもあります。例えば、テレビ朝日や東映が制作した特撮番組『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』では、番組のオープニング映像の一部撮影に本スタジオが使用された実績があります。

オープン記念イベント

スタジオのオープンを記念し、2021年5月26日には「MIRAIKEN studio Opening Ceremony」が開催されました。このセレモニーでは、MCとしてヒャダイン氏とJuice=Juiceの金澤朋子氏が登場。出演アーティストにはSUGIZO氏、アイドルマスターシリーズの天海春香、mplusplus、KITE、MADOKA氏を迎え、さらにバンダイナムコエンターテインメント代表取締役社長の宮河恭夫氏がゲストとして参加しました。

セレモニーでは、スタジオの先進的な設備を活用した様々なデモンストレーションが行われました。特に、xR技術を用いて、実際の宇宙映像と『機動戦士ガンダム』の世界観を融合させた映像を背景にSUGIZO氏が演奏を披露したほか、AR技術を活用してMCのヒャダイン氏、金澤氏、そして天海春香が同じ空間にいるかのような共演映像が配信され、未来研スタジオが実現する新たなエンターテインメントの可能性が示されました。

未来研スタジオは、バンダイナムコグループが推進する多様なエンターテインメントコンテンツの創出と、オンラインを通じたファンとの新たな交流を支える重要な拠点となっています。

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