末げん

新橋 末げんについて

新橋 末げんは、1909年に創業された東京都港区新橋に位置する老舗の料理店です。その歴史は当初、創業者である丸源一郎が修行した料理店「末廣」にさかのぼります。店名の「末げん」はこの「末廣」と、創業者の名前「源一郎」から取られたもので、この由来には深い思いが込められています。

この店は、特に三島由紀夫との関わりから有名です。彼は1970年11月24日、自決前日の晩餐をこの店で行いました。この晩餐には、楯の会のメンバーである森田必勝、小賀正義、小川正洋、古賀浩靖の4名が同席し、奥の間（五番八畳）で「わ」のコースとビールを楽しみました。その費用は1人あたり15,000円だったという記録もあります。この事件の後、この座敷は半年先まで予約で埋まり、食された料理は「三島由紀夫最後の晩餐コース」としてメニューに加わることになりました。

三島由紀夫との縁はその晩餐だけに留まりません。1954年から1957年にかけて、彼は交際相手である後藤貞子（旧姓・豊田）をこの店に連れて来ており、彼らが初めて接吻を交わした場所とも言われています。このように、新橋 末げんは三島にとって特別な思い出の場所でした。

また、新橋 末げんは三島由紀夫以外の著名人にも愛された店として知られています。日本の政治家である原敬や、歌舞伎界の重鎮である六代目菊五郎（市川染五郎などでも知られる）など、多くの著名人がここを訪れ、自身の思い出を刻んでいます。料理は伝統的な日本料理を基にしつつも、現代のニーズに合わせた工夫が施されており、食材の厳選や提供方法にこだわりが見られます。特に鳥鍋料理は称賛されており、多くの客を惹きつけています。

このように、新橋 末げんは単なる飲食店ではなく、日本の文化や歴史の一端を担っている場所とも言えるでしょう。これまでの長い歴史の中で培った味と、昔からの雰囲気を大切にしながら、現在も多くの人々に支持され続けています。都会の喧騒の中で、ひとときの安らぎを提供する新橋 末げんに、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

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