末広 (厚岸町)

末広（まびろ）について

末広（まびろ）は、北海道厚岸郡厚岸町の最南東部に位置しており、郵便番号は088-1105です。当地は太平洋と浜中町に接しており、その沖合には厚岸小島や大黒島が広がっています。末広の周辺は、かつて太平洋戦争中に建設されたトーチカの跡が見られ、歴史的な背景が今でも息づいています。

地理的特徴

末広は、北海道の東海岸にあたる地域で、海に面した立地が特徴的です。近くには美しい海岸線が広がっており、日常的な漁業が行われています。また、末広の沖合には厚岸小島と大黒島が浮かび、自然の美しさを際立たせています。これらの歴史的要素は、地域の魅力を高めています。

歴史的な経緯

捕鯨船の難破

1850年4月、当地の沖でオーストラリアの捕鯨船「イーモント号」が難破しました。乗組員は厚岸場所の武士たちに助けられ、長崎へ送られました。この船の難破の影響で、数十年後、船長の孫が金塊を探すために末広を訪れたことが伝えられています。しかし、埋蔵金は発見されませんでした。船体の一部は第一次世界大戦時に引き揚げられ、金属の需要増加による資源利用へとつながりました。この出来事を契機に、厚岸町とオーストラリアのクラレンス市は姉妹都市の関係を築くこととなりました。

明治時代の変遷

1875年、鹿島萬兵衛が末広の昆布干場を官に返納し、希望者に抽選で分け与えたことで、定住者が現れました。以降、漁業と昆布の採集が地域の重要な産業となりました。また、1893年から1894年にかけて、末広にヨード工場が設立され、地域の人々は昆布の生産に従事しました。この時期には、52戸から212人が昆布やヨードの生産に従事していました。

璃瑠瀾村の設立

末広が厚岸町として整理される前、当地の東側には璃瑠瀾村が存在していました。1879年に大竹種次郎が移住し、宿を開業したのをきっかけに発展しました。璃瑠瀾村は険しい海岸に位置し、交通の難所として知られていました。この村の歴史も、当地の発展に影響を与えています。

地名の由来

末広という名前は、アイヌ語で「風下」を意味し、地域の気候に由来しています。歴史深い厚岸町の地名は、アイヌの文化と密接に関係しており、幌万別やチンベ、璃瑠瀾などの他の地名もアイヌ語由来です。

現在の末広

2023年の時点で、末広の世帯数と人口は安定しており、小中学校の学区も整備されています。また、交通アクセスもあり、北海道道123号別海厚岸線が存在します。さらに、地域にはあやめヶ原原生花園という自然が楽しめる施設もあります。これらの要素が結びつき、末広は自然と地域の文化が共存する魅力的な場所となっています。

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