末続駅

末続駅

福島県いわき市久之浜町末続に位置する末続駅は、東日本旅客鉄道（JR東日本）常磐線が通る駅です。太平洋に面したこの地域で、海を望む景観が魅力的な駅として知られています。

歴史

末続駅は、戦後の混乱期にあたる1947年（昭和22年）6月1日に運輸省の駅としてその歴史を開始しました。そのわずか2年後、1949年（昭和24年）6月1日には、公共企業体としての日本国有鉄道（国鉄）が発足し、その管轄下に移ります。

時代が進むにつれて、駅の機能は変化していきました。まず1961年（昭和36年）2月1日に貨物の取り扱いが廃止され、続いて1975年（昭和50年）10月1日には旅客以外の荷物取り扱いも終了します。これにより、末続駅は旅客輸送に特化した駅となりました。

合理化の流れの中で、1977年（昭和52年）3月1日には駅員が配置されない無人駅となりましたが、この時点では簡易委託方式が導入されていました。そして1987年（昭和62年）4月1日、国鉄の分割民営化に伴い、末続駅はJR東日本に継承されます。その後、1993年（平成5年）10月には簡易委託も終了し、駅は完全に無人化されました。

末続駅の歴史において、2011年（平成23年）3月11日に発生した東日本大震災は大きな転換点となりました。地震とその後に続く福島第一原子力発電所事故の影響を受け、常磐線と共に列車の運行が休止しました。特に当駅周辺は屋内退避命令が出されるなど厳しい状況が続き、当初、営業再開の対象外とされていました。

しかし、地域の復旧が進むにつれて状況は変化します。同年4月21日に周辺の屋内退避命令が解除された後、8月1日からは常磐線の代行バスが運行を開始しました。ただし、この時点ではまだ駅舎への乗り入れは難しく、近隣の飲食店前にある臨時バス停での乗降が続いていました。地域の生活にとって鉄道機能の回復が待望される中、同年10月10日、ついに末続駅への列車の停車が再開されました。これに伴い、代行バスの運行は終了し、駅は再び鉄道駅としての役割を取り戻しました。

近年の変化としては、2020年（令和2年）3月14日に常磐線が東京近郊区間に編入されたことで、Suicaなどの交通系ICカードが利用可能となりました。また、2024年（令和6年）10月1日からは、えきねっとQチケのサービスも導入されています。

駅構造

末続駅は地上駅で、相対式ホームが2面2線配置されています。それぞれのホームは跨線橋で連絡されており、安全に移動できるようになっています。駅舎は歴史を感じさせる木造建築であり、地域の景観に溶け込んでいます。

現在は無人駅となっており、いわき統括センター（いわき駅）の管理下に置かれています。駅舎内には、乗車駅を証明するための発行機や、SuicaなどのICカードを利用するための簡易改札機が設置されています。

駅構内には、開業を記念して植えられたヤマザクラが立派に育っているほか、地域の方々の手入れにより、季節ごとに様々な花々が咲き誇り、駅を彩っています。

また、末続駅の特徴として、ホームから太平洋を直接眺めることができる点が挙げられます。この素晴らしい景観をより多くの人に楽しんでもらうため、ホームの一部には床面の嵩上げやウッドデッキの設置といった改良が施されており、ゆったりと海を眺められる空間が創出されています。

駅周辺と特色

駅のすぐ近くには、主要幹線道路である国道6号が通っています。周辺はのどかな住宅地と自然が広がっています。

末続駅は、その風光明媚なロケーションから、過去にいくつかの映像作品の舞台となりました。例えば、映画『釣りバカ日誌8』のロケ地として使用されたほか、アニメ映画『フラ・フラダンス』では、主人公である夏凪日羽が通学するシーンに登場するなど、ファンにとっては聖地の一つとなっています。

地域との繋がりも深く、末続地区には小学校がないため、近隣の小学生が隣の久ノ浜駅との間を列車で通学する姿が見られます。朝夕には、彼らの元気な声が駅に響いています。

また、当駅と隣の久ノ浜駅の間には、かつて使われていた旧線時代のトンネルの廃墟がひっそりと残されており、鉄道遺構としても興味深い場所となっています。

隣の駅

JR東日本 常磐線：
久ノ浜駅 - 末続駅 - 広野駅

末続駅は、地域の生活を支えつつ、美しい景観や歴史を感じさせる要素を持つ、常磐線沿線の魅力的な駅の一つです。

（文字数調整のため、一部簡潔に記述しています。）

もう一度検索