本多副元

本多副元：越前福井藩を支え、教育に尽くした家老

本多副元は、江戸時代末期から明治時代にかけて活躍した福井藩の重要な家老でした。越前国福井藩の重臣である本多家の9代目当主であり、維新後には男爵の爵位を得ています。

波乱の幕末維新期と華族への道: 副元は、弘化2年（1845年）、常陸国府中藩主の弟を父として生まれました。文久3年（1863年）、福井藩筆頭家老・本多富恭の養子となり、家督を継ぎます。

幕末の動乱期には、藩主を代表して数々の重要な役割を果たしました。元治元年（1864年）の天狗党の乱では鎮圧に貢献し、長州征伐や会津征伐にも参加しています。

明治維新後、旧大名たちは華族となりましたが、福井藩の付家老であった本多家は士族に留まりました。この扱いに納得のいかなかった本多家は、華族への昇格運動を開始します。家臣や領民も家格向上のために訴え、1870年には武生騒動と呼ばれる暴動も発生しました。

副元自身も、明治11年（1878年）に東京府知事に宛てて華族への昇格を願う書状を提出。将軍家康の命を受けた歴史的事実を根拠に訴え続けました。その結果、明治12年（1879年）に華族に列せられ、明治17年（1884年）には他の付家老らと同様に男爵に叙せられました。

教育への貢献: 副元は、地元福井の教育発展にも大きく貢献しました。明治6年（1873年）、私財を投じて旧本多館跡地と金500円を寄付し、3階建ての校舎を持つ進脩小学校の建設を推進しました。これは、地域の教育水準向上に大きく寄与するものでした。

貴族院議員として: 明治23年（1890年）7月10日には貴族院男爵議員に就任し、死去するまでその職務に当たりました。

まとめ: 本多副元は、幕末維新期の激動の中を生き抜き、藩主を補佐する家老として重要な役割を果たしました。華族昇格運動を通じ、自らの家系の地位向上に尽力しただけでなく、地元福井の教育振興にも大きく貢献した人物として、その生涯は高く評価されるべきです。その行動力と強い信念、そして地元への深い愛情は、現代においても学ぶべき点が多く存在します。

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