本多忠敬 (山崎藩主)

本多忠敬（ほんだ ただたか）：播磨国山崎藩、激動の時代を生きた藩主

本多忠敬は、江戸時代後期に播磨国山崎藩の第7代藩主を務めた人物です。政信系本多家8代目に当たり、その生涯は藩の財政難や災害といった困難に直面しながらも、藩政に尽力したものでした。

生涯：苦難の中で藩政を担う

文化9年（1812年）10月18日、先代藩主である本多忠居の次男として生まれた忠敬は、父の隠居に伴い家督を継承しました。しかし、藩主就任直後から藩邸が焼失するという災難に見舞われ、藩財政は再び悪化の一途を辿ります。この状況を打開するため、忠敬は苦渋の決断として半知を行うなど、財政再建に向けた厳しい措置を講じました。

しかし、忠敬自身も生来病弱であったため、藩主としての激務は彼の身体を蝕んでいきました。その結果、天保5年（1834年）11月27日、弟である本多忠鄰に家督を譲り、若くして隠居することを余儀なくされます。その後、嘉永3年（1850年）5月晦日に58歳でその生涯を閉じました。

系譜：本多家の一員として

本多忠敬は、以下のような系譜を持っています。

父：本多忠居（1771-1819）
母：不詳
正室：本多忠顕の娘
子女：
長男：本多忠鎮
女子：小堀政恒正室
女子：青山幸敬正室 - のち松平某室
養子：本多忠鄰（1811-1874） - 本多忠居の四男

弟である忠鄰を養子に迎え、後継者とした背景には、自身の病弱さだけでなく、藩の将来を見据えた決断があったと考えられます。

本多忠敬は、決して恵まれた状況にあったとは言えませんが、藩主として、また本多家の一員として、その責務を果たそうとした人物でした。彼の生涯は、江戸時代の藩政の難しさ、そしてその中で生きる人々の姿を垣間見せてくれます。

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