本庄寿巨

本庄寿巨：司法、金融、そして政治の道を歩んだ華族の生涯

本庄寿巨（ほんじょう ひさなお、1855年8月19日-1929年7月15日）は、明治から大正時代にかけて、司法官、銀行家、政治家として多方面で活躍した人物です。旧姓は細川。華族として貴族院子爵議員も務めました。

華族としての出自と家督相続

肥後宇土藩主、細川行芬の十男として生まれた寿巨は、1877年、美濃高富藩主家当主であった本庄久米（本庄道美の五女）と結婚。同時に本庄家の家督を継ぎ、本庄家の歴史を継承することとなりました。その後の1884年には、子爵に叙爵されています。

司法官としてのキャリア

司法省への出仕を皮切りに、寿巨は司法官としての道を歩み始めます。内務省地理局雇、内務属といった職務を経て、鹿児島、都城、延岡といった各地の裁判所で判事や検事として経験を積みました。東京区裁判所や京橋区裁判所の検事を歴任した後、東京区裁判所管内公証人を務めるなど、司法界において重要な役割を果たしました。

実業界への転身と銀行界での活躍

司法官を退官後、寿巨は実業界へと転身します。御嶽貯蓄銀行頭取、愛国銀行取締役、東華銀行頭取、日本信託会社取締役など、数々の要職を歴任。金融界に大きな足跡を残しました。銀行経営で培った手腕は、彼の政治家としての活動にも活かされたと考えられます。

貴族院議員としての政治活動

1890年には、貴族院子爵議員に選出され、1911年まで3期にわたって議員を務めました。貴族院議員として、彼は時代の変遷を目の当たりにし、数々の重要な政策決定に関わったことでしょう。貴族院での活動は、彼の政治家としてのキャリアにおける重要な一章と言えるでしょう。

晩年と家族

1916年には隠居、同年には分家。晩年は、長年にわたる公職生活を経て、家族とともに穏やかな日々を送ったものと思われます。彼の生涯は、激動の時代を背景に、司法、金融、政治と様々な分野で活躍した、稀有な存在であったことを示しています。

複雑な家族関係

寿巨の家族関係は複雑さを含んでいます。先妻の久米、後妻の好子（牧野忠恭の九女、後に離縁）、養女の喬子（堀親篤の長女）、養子として迎えた孝之助（脇坂寿二男、後に離縁）、そして兼則（伊集院兼知の五男）など、様々な人物が彼の生涯に関わっていました。これらの家族関係は、彼の私生活の一端を垣間見せてくれると共に、複雑な人間模様を物語っています。

参考文献

彼の生涯を知る上で重要な参考文献として、『大日本華族大鑑』『人事興信録』『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』『平成新修旧華族家系大成』などが挙げられます。これらの文献は、本庄寿巨の経歴や家族関係、そして当時の社会状況を理解する上で貴重な資料となっています。これらの文献を参照することで、より深く彼の生涯を知ることができます。

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