本田寿賀

本田 寿賀の生涯と業績

本田寿賀（ほんだ すが、本名は陸奥、1925年生まれ）は、日本の放送界において重要な役割を果たしたアナウンサーであり、特にNHK紅白歌合戦における活躍で知られています。千葉県君津郡に生まれ、日本女子大学を卒業後、1946年にNHKに入社しました。彼女はその年の戦後初のアナウンサー試験に合格し、17期のアナウンサーとして名を馳せました。彼女の同期には、後に著名になる野村泰治や、橋本登美三郎夫人となる後藤美也らがいました。

NHKでの活躍

寿賀は1953年1月に放送された『第3回NHK紅白歌合戦』において、朗読の実力が評価され、紅組司会に抜擢されました。これはNHKアナウンサーとして初めて紅組司会を務める快挙であり、彼女はその後も数々の放送に関与しました。彼女の存在は、戦後の日本における放送文化の発展に寄与し、特に女性アナウンサーの地位向上にも寄与したと言えるでしょう。

1956年から1961年にかけては大阪中央放送局で勤務し、その後東京に戻り、さらなるキャリアを築きました。1964年には東京オリンピックの実況中継を望んでいましたが、1962年に陸奥イアン陽之助と結婚し、NHKを退社することとなりました。

晩年と影響

寿賀は1985年にすい臓癌で亡くなるまで、放送界に多大な影響を及ぼしました。彼女の葬儀は、結婚式も行われた霊南坂教会で執り行われ、多くの人々が彼女との別れを惜しみました。彼女の生涯や業績は、早瀬圭一の著書『過ぎし愛のとき―淑女の履歴書』に詳しく記されています。

人物像

本田寿賀は、その個性的な魅力で多くの人々に影響を与えました。NHKの先輩アナウンサー高橋圭三は、彼女を「実人生ではタレントのように自分を前に出していたが、マイクの前に立つとその姿が消えた」と評しました。また、後輩の下重暁子は「彼女はおしゃれで豪快な女性だった」と述べています。このように、彼女の存在はアナウンサーという職業に新たな一面をもたらしました。

下重は結婚後に寿賀の家族について取材を重ね、陽之助の両親にあたる陸奥広吉とエセルの日記を基にした著書『純愛―エセルと陸奥広吉』を執筆しました。

結論

本田寿賀の人生は、アナウンサーとしての先駆者であり、放送界における女性の地位向上の象徴でもありました。彼女の功績は現在においても多くの人に示唆を与えるものであり、その影響力は未だ色あせることがありません。彼女のような存在がいたからこそ、今のテレビ文化があるとも言えそうです。

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