本田親男

本田親男について

本田親男（ほんだ ちかお、1899年11月21日 - 1980年7月30日）は、鹿児島県に生まれたジャーナリストであり、毎日新聞社の社長を務めたことで知られています。彼の業績や人生の歩みは、日本の新聞界において重要な位置を占めており、多くの人々に影響を与えました。

幼少期と教育

本田は鹿児島市の下荒田町に生まれ、幼小期においては鹿児島師範学校附属幼稚園を経て、小学校に進学します。彼の教育は旧薩摩藩の郷中制度に由来する「研明舎」で行われ、ここでの学びが本田の人間性や将来のキャリアに大きな影響を与えました。5歳から小学校の放課後にこの学舎に通い、様々な科目を自習しました。また、運動や伝統的な行事にも積極的に参加し、10歳の時には天保山から桜島までの往復水泳を成し遂げるほどの身体能力を誇りました。

学生時代と新聞への関心

本田は1912年に鹿児島二中に入学し、同校の新聞研究部に所属しました。この部活動を通じて、様々な新聞を読み比べたり、議論を交わしたりしました。彼は当時、英語や国語、漢文に特に興味を持ち、特に作文が得意でしたが、数学には苦手意識を持っていました。さらに、当時の新聞や書籍に接し、特に国際問題や外交に対する関心を深めていきます。

高等教育時代とジャーナリズムへの道

1918年、本田は早稲田大学高等予科の英文学科に進学しますが、経済的な理由からアルバイトを始めます。この経験が彼を神戸新聞社へ導くきっかけとなります。ここで彼は、様々な部門での経験を積みながら、ジャーナリズムの世界でのキャリアを築いていきます。

記者としての活動

1920年に神戸新聞社に入社後、本田は社会部や運動部などで経験を積み、特に1930年代には満州事変や上海事変の従軍記者として活躍します。この時期に彼は、世界情勢をリアルタイムで報道するという重要な役割を果たしていました。1938年には本社社会部長に就任し、戦争による情報の重要性を痛感したと同時に、数々の取材を通じて特派員としての信頼も獲得しました。

社長就任と新聞界への影響

1948年に毎日新聞社の社長に就任した本田は、新たな媒体や社会問題の調査に取り組みます。1949年には人口問題調査会を設立し、初代会長も務めました。また、プロ野球チームの毎日オリオンズを結成し、パ・リーグに加盟するなど、ただの新聞社を越えた文化的な活動にも積極的に関わりました。1957年には新聞業界全体を代表する立場として、日本新聞協会の会長に選ばれ、言論の自由を守るための活動に尽力しました。

晩年と功績

1973年からは専修大学の理事を務め、1980年には急性肺炎と心不全により亡くなりました。その葬儀には多くの人々が参列し、昭和天皇から香典も賜りました。1997年には彼の功績を称え、千鳥ヶ淵公園内に彼の名が刻まれました。彼の人生は、ジャーナリズムの重要性と、その文化的影響を物語るものとして、今なお多くの人に語り継がれています。

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