本田路津子

本田路津子：フォークからゴスペルへ

本田路津子（ほんだ るつこ、1949年1月6日生まれ）は、日本を代表するシンガーで、元々はフォークシンガーとして活躍し、後にゴスペルシンガーに転向しました。彼女は福岡県大牟田市で生まれ、幼い頃に新潟県に移り住んで育ちました。その後、東京都町田市の桜美林高等学校に進学し、桜美林大学文学部英文科を卒業しました。彼女の名前の由来は、両親がキリスト教徒であり、旧約聖書の「ルツ記」に登場するルツから取られています。

大学在学中、本田は聖歌隊に参加し、英字新聞の編集にも携わっていました。そして、1970年に開催された「ハルミラフォークコンテスト」において、ジョーン・バエズの「シルキー」を歌い見事優勝を果たしました。この大会での成功により、CBSソニーからプロとしてデビューを果たし、シングル「秋でもないのに」で音楽活動を開始しました。以降は「風がはこぶもの」や「一人の手」といったヒット曲を次々とリリースし、森山良子とともにカレッジフォークの第一人者として広く知られるようになりました。

彼女の代表曲「ひとりの手」は、アレックス・コンフォートの詩「One Man's Hands」に基づき、日本語の歌詞を彼女自身が訳したものです。この曲は、当時の反戦運動や人種差別撤廃を訴える内容となっており、特に支持を受けました。また、1976年に出版された讃美歌集『ともにうたおう』では、彼女の歌詞も讃美歌として収録されています。

本田の活動の中で彼女が受けた影響は、ジョーン・バエズだけではなく、ジュディ・コリンズにも深く及んでいました。彼女はジョーン・バエズを尊敬しつつも、自身の感性を大切にし、独自のスタイルを貫いていました。デビューのきっかけとなった曲とされる「シルキー」は、実際にはスール・スケリー島の大アザラシという伝承歌であり、彼女にとって重要な作品であることは間違いありません。

彼女のデビューに至る背景には、ハルミラフォークコンテストでの優勝があり、それを見た音楽関係者の小室等が彼女を新進のレコード会社CBSソニーに紹介したエピソードがあります。契約を結び、彼女の才能が世に広がるなど、音楽界への貢献は大きかったのです。デビュー曲は、コンテストの審査員だった石川鷹彦の持ち歌を女性用にアレンジされた作品で、今でも特に人気があります。

本田は1972年に放送されたNHK連続テレビ小説『藍より青く』の主題歌「耳をすましてごらん」によって一層の名声を得て、NHK紅白[[歌合戦]]にも2度出場しました。彼女の作品は、南野陽子などによってカバーされ、世代を超えて愛されています。さらに、多くのCMソングやラジオ番組にも参加し、その音楽が広がりを見せました。

1975年、結婚を機に音楽活動を一時休止し、アメリカへ渡った本田路津子は、「さよならコンサート」では感謝の気持ちを込めて「至上の愛」を歌いました。その後1988年に日本に帰国すると、教会でのコンサートを通じて神の愛を広める活動を始め、現在まで賛美歌の歌い手として活躍しています。彼女は2001年には第4回ゴスペルCCM賞を受賞するなど、ゴスペル活動でも高い評価を得ています。

本田路津子は、その多彩な経歴を持つシンガーであり、フォークからゴスペルへの移行を経て、永続的な影響を音楽界にもたらしています。彼女の音楽は、今もなお多くの人々に愛され続けているのです。彼女の生きざまと音楽の旅は、聴く人に感動を与えてやみません。

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