本線料金所

本線料金所について

本線料金所は、高速道路や有料道路の本線上に配置され、料金を徴収するための施設です。これらの料金所は、通常、料金区間の端部に設けられ、通行券の発行や料金徴収を行います。利用者の間では「チェックバリア」とも呼ばれ、日本国内では英語で「toll barrier」と表記されます。しかし、日本においては特に本線料金所全体を指す場合が多いのが特徴的です。

料金所は、全ての車両が停車して料金処理を行うことが原則です。これは、対距離制料金が適用されている道路では特に重要です。料金区間始点では通行券が発券され、区間終点ではその通行券を元に料金が徴収されます。また、均一制料金の場合には、直接料金が徴収されます。複数の料金区間が存在し、通過交通が多い場合には、境界付近に一つの料金所を設置することで、効率的に料金を徴収し、利用者の利便性を高める方法もあります。

利便性と渋滞の問題

ただし、本線料金所の設置は、時に渋滞を引き起こす原因ともなります。この問題に対処するため、日本ではETC（Electronic Toll Collection）システムが導入され、ノンストップで通行できる技術が実用化されています。このシステムに対応した料金所では、車両は停車することなく通過でき、効率的に料金の徴収が行われます。このようなシステムの導入は、料金所の混雑緩和に大きく寄与しています。

本線料金所の設置目的には、不正通行を防ぐことや、通行券の交換、高速道路運営会社の管轄が異なる地点で徴収が必要な場合などが含まれています。

歴史と進化

本線料金所の歴史は、1970年に浜名湖サービスエリアや富士川サービスエリアに補助料金所が設置されたことに遡ります。この取り組みは、当時の通行券の不正交換を防ぐためのものでした。1988年には豊橋本線料金所が設置され、その後も新直轄方式による高速道路整備が進められ、国土交通省とNEXCOが管理する区間の境界において本線料金所が増加しています。

海外の本線料金所

国内だけでなく、他国の本線料金所も紹介します。例えば、台湾では従来、本線上に料金所が定期的に設置されていましたが、2013年に全ての本線料金所が撤去され、ETCシステムによる距離制料金に移行しています。韓国でも、一部の高速道路で本線上に料金所を設置していますが、2016年には多くの料金所が廃止され、統一料金制度へと進化しました。

本線料金所の利点と欠点

本線料金所にはいくつかのメリットとデメリットがあります。利点としては、通行車両の確認が可能であり、異なる料金区間の料金を同時に徴収できる点が挙げられます。一方で、事故や渋滞の原因となる可能性があり、施設の設置や運営にかかるコストも負担となります。

廃止された料金所の事例

近年では、ETCの普及に伴い、多くの本線料金所が廃止されています。具体的には、泉本線料金所や豊橋本線料金所など、交通量の変化や通行券の統一により、もはや必要がなくなった料金所が存在します。さらに、料金制度の変更により、手前で料金を支払った車両のみが通行できるようになったため、廃止された料金所もあります。

本線料金所の仕組みや運営は、交通の効率化や料金徴収の円滑化に寄与してきましたが、一方で新たな技術の導入により、変革を迎えています。今後も交通インフラの発展に伴い、料金徴収システムが更に進化していくことが期待されます。

もう一度検索