本蓮寺

本蓮寺（ほんれんじ）

岡山県瀬戸内市牛窓町にある、法華宗本門流の寺院。山号は経王山で、大本山本興寺の末寺です。境内は国の史跡「朝鮮通信使遺跡」として指定されています。

歴史

本蓮寺は、もともと日蓮宗の寺院として始まりました。寺伝によれば、1338年（暦応元年、延元3年）に大覚大僧正が法華経信仰に基づき法華堂を建立したとされています。大覚大僧正は、牛窓の豪族である石原佐渡守を教化し、法華堂の建立に尽力したとも伝えられています。

ただし、『本蓮寺文書』に〈牛窓浦法華堂〉という名称が初めて登場するのは1450年（宝徳2年）であり、法華堂が実際にどのように建てられたのか、その経緯ははっきりとは分かっていません。

本格的な寺としての歴史は、南北朝時代の1347年（正平2年）に、京都妙顕寺の座主であった大覚大僧正が法華堂（本堂）を建立したことに始まります。

牛窓は古くから風待ち・潮待ちの港として栄え、江戸時代には朝鮮通信使が寄港し、本蓮寺に滞在して岡山藩の饗応を受けました。朝鮮通信使は江戸時代に12回来日し、対馬から江戸までの各地の大名が使節一行の接待を命じられました。瀬戸内海の寄港地として牛窓港が整備され、本蓮寺は通信使一行が上陸・宿泊する際の宿舎となりました。現在も、通信使が詠んだ詩書などが残されています。また、牛窓では毎年10月第4日曜日に、通信使の風俗を模した「唐子踊り」が少年たちによって舞われています。

室町時代の1492年（明応元年）に再建された本堂は、番神堂、中門と共に国の重要文化財に指定されています。通信使が使用した客殿には、小堀遠州の手によると伝えられる庭園があり、見学には予約が必要です。

1994年（平成6年）10月11日には、「朝鮮通信使遺跡」として、広島県福山市鞆町の福禅寺、静岡市清水区興津の清見寺と共に、国の史跡に指定されました。

境内

境内には、本堂のほか、番神堂、中門、三重塔、祖師堂などがあり、歴史を感じさせる建造物が点在しています。

文化財

国の重要文化財
本堂
番神堂（東祠、中祠、西祠）3棟
中門
国の史跡
朝鮮通信使遺跡 牛窓本蓮寺境内
岡山県指定文化財
重要文化財（有形文化財）
三重塔
祖師堂
瀬戸内市指定文化財
本蓮寺山門

アクセス

両備バス牛窓行きに乗車し、本蓮寺で下車後、徒歩約1分。

参考文献

岡山県高等学校教育研究会社会科部会歴史分科会/編 『新版 岡山県の歴史散歩』 山川出版社 1991年 38 - 39ページ
現地説明板

関連項目

牛窓
牛窓神社

外部リンク

瀬戸内市 重要文化財
瀬戸内市観光協会 本蓮寺

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