本部御殿

本部御殿について

本部御殿（もとぶうどぅん）は、琉球王国の王族であり、尚質王の六男である尚弘信とその嫡子、本部王子朝平に由来する名門です。彼らは琉球王国の第二尚氏の分家として、代々本部間切（現在の本部町）で按司地頭の役職を担ってきました。組織の歴史は、彼らの影響力や家族の業績を知る上で重要なものです。

一世である本部王子朝平は、11歳の若さで伊野波間切を授けられ、それ以降本部間切へと名称が変更される過程で、家名の起源を形成しました。彼の子孫たちは、この地を治める重要な役割を果たしながら、文化的な功績をも積み重ねてきました。特に五世の朝救は、琉球の詩人として知られ、歌を通じて国の文化に寄与したことでも有名です。

八世の朝章は、琉仏修好条約締結時において総理官（全権大使）を務めたことで、外交面でもその名を残しています。これにより、本部御殿は政治的な場面でも重要な役割を果たしてきたことが分かります。

明治時代の廃藩置県後、十世の本部朝勇は、琉球古武術の本部御殿手の継承者として知られ、武術の分野でも一際優れた存在となりました。彼の弟である本部朝基は、空手家として「最強」と称されるほどの実力を持ち、その名声は沖縄各地に広まりました。このように、本部御殿は武道や芸術においても大いに活躍し、多くの人々に影響を与えてきました。

系譜

本部御殿の系譜は、以下のように代々引き継がれてきました。

• - 一世: 尚弘信（本部王子朝平）
• - 二世: 向履泰（本部按司朝完）
• - 三世: 本部按司朝智
• - 三世: 尚文思（本部王子朝隆、初位は按司、後に王子位に昇進）
• - 四世: 向延弼（本部按司朝恒）
• - 五世: 向国珍（本部按司朝救）
• - 六世: 尚大猷（本部王子朝英、初位は按司、後に王子位に昇進）
• - 七世: 伊野波按司朝徳
• - 八世: 尚景保（本部按司朝章）
• - 九世: 本部按司朝真
• - 十世: 本部朝勇
• - 十世: 本部朝基（朝真の三男）

この家系は、琉球王国の政治、文化、武道の発展に寄与した貴族の系譜として位置づけられています。

参考文献

• - 沖縄県氏姓家系大辞典 編纂委員会『沖縄県氏姓家系大辞典』角川書店, 1992年
• - 宮里朝光（監修）、那覇出版社（編集）『沖縄門中大事典』那覇出版社, 1998年
• - 比嘉朝進『士族門中家譜』球陽出版, 2005年

本部御殿の歴史は、琉球王国の貴族文化を象徴するものであり、その遺産は現在でも多くの人々に受け継がれています。

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