本間一夫

本間 一夫の生涯と業績

生い立ち

本間一夫（1915年10月7日生まれ）は、北海道の増毛町で商家に生まれました。彼の人生は、幼少期に脳膜炎にかかり視力を失ったことから大きく変わります。視覚障害を持ちながらも、彼は強い意志を持って生き延びることを決意しました。1929年に函館盲唖院に入学し、そこで点字の世界と出会い、琵琶の勉強も始めます。彼はその後、演説大会での活躍を通じて自らを表現する力を身につけることに成功しました。

関西学院大学時代

新たな道に進むため、1936年から関西学院大学で学び始めました。ここで本間はさらに深くキリスト教の教えに触れ、受洗を果たします。1940年に関西学院文学部を卒業後、東京で「陽光会」に勤務し、点字に関する活動に従事しました。

日本盲人図書館の創立

本間一夫は1940年、日本で初めての点字図書館「日本盲人図書館」を設立しました。これにより、視覚障害者が書籍にアクセスできる環境を整え、彼らの読書の自由を広げました。1943年には結婚し、その後も多くの困難を乗り越えながら、日本点字図書館として再出発を果たします。特に、彼の「点訳奉仕を世に訴える」という活動は、多くの反響を呼び起こしました。

そして1964年、国際視察旅行を通じて世界の最新の盲人福祉の状況を学び、盲人用具の収集にも励みました。彼はその経験を基に、様々な国際会議にも参加し、視覚障害者に対する理解を深める活動を展開しました。

著作と受賞歴

本間は、自身の体験を通じた著作も数多く残しています。『指と耳で読む』や『我が人生「日本点字図書館」』など、彼の活動や思いを綴った書籍は多くの人々に感動を与えています。また、彼の社会貢献に対しては多くの賞を受賞し、特に朝日社会奉仕賞や毎日新聞社点字文化賞など、栄誉ある賞が与えられました。

最晩年と文化賞の設立

2003年8月1日、本間一夫は心不全により87歳で亡くなりました。彼の死後、彼の業績を称えるために、日本点字図書館が本間一夫文化賞を設けました。この賞は、視覚障害者支援や文化の発展に貢献した人々を表彰する意義深い賞です。

まとめ

本間一夫の歩みは、多くの視覚障害者にとっての希望の象徴となりました。彼の設立した日本点字図書館は、今も多くの人々に利用され、彼の志を引き継いでいます。視覚の障害を乗り越えて多くの人々に知識を提供した彼の姿勢は、今なお多くの人にインスピレーションを与え続けています。

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