本間精

本間 精の経歴と業績

本間 精（ほんま きよし、1895年8月1日 - 1948年9月1日）は、昭和時代に活躍した内務・警察官僚です。彼は官選で秋田県、岡山県、福岡県の知事を歴任し、そのキャリアを通じて地方行政や警察に多大な影響を与えました。

学歴と初期のキャリア

本間は、農林省の勅任技師である本間啓太郎の長男として誕生しました。彼は横浜市立第一中学校、そして第二高等学校を卒業後、東京帝国大学法学部法律学科に進学しました。1919年に卒業後、大学院で経済行政を専門に学びました。

彼の公務員としてのキャリアは、1920年に神奈川県に属し、内務部地方課に配属されることで始まりました。同年の10月には高等試験の行政科試験に合格し、1921年に神奈川県警視に任命されました。これ以降、彼は様々な県での行政や警察業務を担当し、経験を積んでいきました。

知事としての活動

本間は1937年から1938年にかけて秋田県知事を務めた後、内務省の警保局長としての職務を経験しました。さらに、1939年から1940年にかけて岡山県知事を務めました。1940年からは福岡県知事に就任し、約3年の任期を果たしました。

彼は知事として、地域の行政改革や警察制度の強化に努め、地方の治安維持に貢献しました。特に、福岡では市民生活の安定と地域発展に寄与したと言われています。

大政翼賛会と晩年

1944年には大政翼賛会の団体局長に就任し、その後、大日本翼賛壮年団の副団長にも任命されました。この時期は、日本が戦争の渦中にあったため、彼の活動は厳しい状況におかれていました。1945年の関東甲信越地方副総監就任後、同年11月には廃官となり、公職から退きました。

その後は弁護士として登録し、新たなキャリアを形成しようとしましたが、1947年には公職追放の措置を受けることとなります。彼の政治キャリアは、時代背景の影響を受けた複雑なものでした。

家族

本間には陸軍大佐を務めた弟の本間誠や、日立製作所の副社長を務めた本間博がいます。彼らもそれぞれの分野で活躍し、家族全体が日本の近現代史に名を刻む存在となりました。

参考文献

彼に関する詳細な情報は、秦郁彦編『日本近現代人物履歴事典』（東京大学出版会、2002年）を参考にすることができます。この文献は、多くの近現代日本人の履歴や業績を掘り下げたもので、本間精の経歴を理解する上でも重要な資料です。

もう一度検索