札幌ロイヤルホテル

札幌ロイヤルホテル：栄光と閉幕の物語

札幌ロイヤルホテルは、北海道札幌市中央区に1964年から2008年まで存在した、札幌を代表するホテルでした。44年間の歴史の中で、華麗な時代と苦悩の時代を経験し、その名を札幌の歴史に刻み込みました。

繁華街すすきの近郊の立地と高級感

すすきのの賑わいから程近い、落ち着いた場所に位置する札幌ロイヤルホテルは、ホテルオークラなども手掛けた著名建築家、柴田陽三氏の設計による建物でした。札幌グランドホテル、札幌パークホテルと共に「札幌三大ホテル」の一つとして数えられ、高級感のある広々とした客室、大規模な結婚式場や宴会会場、そして11階のスカイラウンジは、多くの人の記憶に刻まれています。

1990年代：ピークと競争激化

1993年には年間売上高102億円を記録するなど、最盛期を迎えました。しかし、その後は本州資本のホテル進出による競争激化が大きな影を落とします。運営会社の札幌国際観光株式会社は、2004年から4期連続で経常損失を計上するなど、経営は悪化の一途を辿ります。

2007年には、オリックスとの売買交渉が行われましたが、価格面で合意に至らず、交渉は決裂しました。同年8月には、札幌国際観光株式会社が民事再生法の適用を申請し、9月30日に一旦は営業を停止せざるを得なくなりました。

再開と閉鎖

同年11月、恵庭開発株式会社がホテルを買収し、11月23日に営業を再開しました。しかし、営業停止期間の影響は大きく、客足は伸び悩み、2008年7月1日、ついに営業を終了しました。

解体と跡地利用

閉鎖後、建物はしばらく放置されていましたが、2010年から2011年にかけて解体されました。現在、跡地にはリンナイ北海道支店と、明和地所所有の13階建てマンション「クリオ南7条」が建っています。

思い出のレストラン

札幌ロイヤルホテルには、多くのレストランが入居していました。その中には、和食の「漁火」、洋食の「ルヴォワール」、中華料理の「龍園」など、地元の人々にも愛された人気店も含まれていました。これらのレストランも、ホテル閉鎖と共に姿を消しました。

歴史を刻んだホテル

札幌ロイヤルホテルは、1962年11月26日に設立された札幌国際観光株式会社の最初のホテルとして、1964年5月13日に開業しました。1973年には姉妹ホテルであるセンチュリーロイヤルホテルが開業し、1988年には改装工事も実施されています。1990年には「札幌ロイヤルホテル」に商号変更し、1993年には代表取締役社長の杉野重雄氏が日本ホテル協会会長に就任するなど、華々しい時代もありました。

しかし、時代の変化や競争激化に対応しきれず、最終的には閉鎖という結末を迎えたのです。札幌ロイヤルホテルは、かつて札幌市民や観光客に多くの思い出と記憶を与え、輝かしい歴史を刻んだホテルとして、その名を後世に伝え続けられています。その跡地には新たな建物が建ち並び、札幌の街の変遷を物語っています。

もう一度検索