札幌市保養センター駒岡

札幌市保養センター駒岡は、北海道札幌市南区駒岡地区にある公営の老人休養ホームです。全国に約30箇所ある同種の施設の一つとして、利用者が手頃な料金で健康的な保養と、高齢者と他世代との交流の場を得られることを目的としています。

当施設の特徴の一つは、環境に配慮したエネルギー利用です。隣接する駒岡清掃工場で発生する余熱や電力を、地下パイプを通じて施設の暖房や照明に活用しており、コスト削減と持続可能な運営に寄与しています。

その歴史は1986年（昭和61年）の開設から始まりました。施設の機能は順次拡充され、1995年（平成7年）に屋外、1999年（平成11年）に屋内パークゴルフ場が開設され、2006年（平成18年）からは朝市も開催されました。

施設の存続を巡っては、一度大きな局面を迎えました。2010年（平成22年）、札幌市が行った事業評価（事業仕分け）により、廃止との厳しい評価が下されます。しかし、市民による存続を求める署名活動や、市議会への陳情採択など、強い存続の要望が多数寄せられました。これらの声を受け、市は検討委員会を設置し協議を重ねた結果、最終的に施設の存続が決定しました。

存続決定後、新たな活用方針のもとでリニューアルが行われました。2013年（平成25年）に基本方針が策定され、2016年（平成28年）のリニューアルオープンに至ります。この改修では、旧施設の一部解体（熱帯植物園や屋内パークゴルフ場）と引き換えに、館内の全面的バリアフリー化が進められるなど、利用者の快適性と安全性が高められました。

現在の施設設備としては、宿泊用の洋室（2〜4名）、和室（4〜5名）、和洋室（4名）が利用できます。地域住民も利用可能な大浴場は日帰り入浴も可能です。その他、食事や買い物が楽しめるレストラン・売店、研修室・大広間、娯楽室・多目的室といった共用スペースが充実しています。屋外には芝生広場、野外ステージがあり、屋外パークゴルフ場・パットゴルフ場は現在休止中です。

アクセスについては、条件を満たせば札幌市内からの無料送迎バスが利用できます。公共交通機関は、ばんけいバス「保養センター駒岡」バス停が施設の目の前です。札幌市営地下鉄南北線真駒内駅からは車で約10分です。

札幌市保養センター駒岡は、エネルギー効率の良さと市民の健康・交流促進を両立する施設として、その役割を果たしています。

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