札幌飛行場

札幌飛行場（丘珠空港）

概要

札幌飛行場（さっぽろひこうじょう）は、さっぽろ市東区丘珠町に位置する陸上自衛隊丘珠駐屯地に併設された飛行場です。通称丘珠空港として知られるこの飛行場は、1950年代から利用が始まりましたが、1961年に公共用飛行場へと指定され、民間機の発着が許可されました。現在は防衛省が設置・管理しており、陸上自衛隊との共用施設としても機能しています。

この空港は、道内各都市への定期便を補完し、新千歳空港に次ぐ重要な役割を果たしています。また、観光目的の遊覧飛行や、北海道警察及び防災ヘリコプターの基地としても利用されています。依然として札幌市の空の玄関口としての地位を確立し、輸送および観光の拠点として重要な役割を果たしています。

利用状況と路線拡大

札幌飛行場の運航状況は、近年の新規路線の開設により好転しています。北海道エアシステム（HAC）やフジドリームエアラインズ（FDA）などが運航する定期便が中心で、これらは特に道内の需要を的確に捉えています。2013年からはFDAが提供する名古屋線や静岡線、さらに中標津線や秋田線が新たに就航し、観光客の誘致に寄与しています。

2023年度は、HACや新規参入のトキエアによって運航便が増え、初めて年間の利用客数が40万人を超える見込みです。札幌市はさらなる発展を目指しており、滑走路の延伸も計画されています。

歴史と沿革

札幌飛行場の歴史は1942年に始まります。戦後、連合国軍に接収された後、1954年に陸上自衛隊に移管され、その後も徐々に機能が拡張されてきました。1980年代にはエアーニッポンが運用していたプロペラ機が運航するようになり、現在はジェット機の運航へと進化しています。しかしながら、2010年には全日本空輸が撤退し、新千歳空港に一元化されたため、一時は利用者が減少しました。

その後も札幌市と北海道が連携し、空港活性化に向けた取り組みを進めています。特に2016年からのフジドリームエアラインズの定期便投入は、新たな航空需要を生む要因となりました。

特徴と課題

丘珠空港はその立地から、雪が降る冬季において欠航が発生することも多く、一部の運航には影響を及ぼしています。そのため、滑走路を1500mに延伸し、冬季も安定運航が可能な体制を整えていく必要があります。また、新千歳空港へのアクセス向上や、冬の運営時間を拡大するための対策も急務です。

さらに、空港ターミナルビルは比較的小規模で、現在の利便性をさらに向上させるためには、駐車場や公共交通アクセスの整備が欠かせません。

結論

札幌飛行場（丘珠空港）は、北海道内での重要な交通の要所として機能しながら、今後も役割拡大が期待されています。地元経済発展に寄与するために、航空路線の強化やターミナル設備の整備がますます重要になってくるでしょう。これにより、市民や観光客にとって、さらに利用しやすい空港となることが期待されています。

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