朴成哲

朴 成哲の生涯と業績

朴成哲（パク・ソンチョル、1913年9月2日 - 2008年10月28日）は、北朝鮮を代表する政治家の一人であり、国家副主席や政務院総理などの重要な役割を果たしました。

幼少期と若年期

彼は朝鮮半島の慶尚北道慶州市に生まれ、日本の統治下に育ちました。若い頃、上智大学に入学しますが、途中で中退し、日本共産党に加入した後、中国の抗日パルチザンに参加しました。1934年には、満州の抗日パルチザンに加わり、その後、東北抗日連軍第5軍教導第1隊に所属し、忠実で勇敢な隊員としての評判を得ました。

軍歴と困難な時期

朴は日本と戦う中で数々の役割を歴任しましたが、1942年にはソ連軍の偵察任務に従事します。彼の任務は1週間の予定でしたが、秋まで帰還できず、送信した情報が虚偽であると判明しました。このことで彼は厳しく糾弾され、降格されるという屈辱を味わったとされています。彼はこの出来事を恥じ、アヘンを服用して自殺を試みたとも伝えられています。

解放後の政治活動

1945年の朝鮮解放後、朴は政治の舞台に立ち、様々な役割を果たしました。彼は粛川郡の党委員会責任書記を経て、1946年には中央保安幹部学校の副校長となり、1948年には朝鮮人民軍の第3師団の参謀長に就任します。また、1950年には第15師団長として朝鮮戦争に参戦し、戦後の復興に尽力しました。

外交と政務の重職

彼は1950年代に外務省へ移り、駐ブルガリア公使、後に大使として活躍しました。1956年には朝鮮労働党の国際部長に就任し、外務副相を経て1959年には外務相となりました。その後も、朝鮮の外交政策を牽引し、1970年までその職を務めました。特に1972年には非公式に韓国を訪問し、南北共同声明発表へとつながる道を開くことに寄与しました。

政務院総理および国家副主席の時代

1976年、朴は政務院総理に就任し、翌年には国家副主席に転任しました。党の中枢でも政治委員会に選出され、重要な政治的役割を果たしました。1994年に金日成が亡くなった後、彼は一時的に国家主席の職務を代行しましたが、実際の指導権は金正日のもとにありました。

晩年と遺産

朴成哲は1998年に国家主席・副主席の職が廃止されると、名誉職的な地位に甘んじることになりますが、高齢と共にその動静はほとんど報道されなくなりました。彼の晩年を見守った報道によれば、2008年には病気のために死去したとのことです。彼の人生は北朝鮮の歴史と密接に関連しており、彼の政治的業績や外交活動は、今もなお注目されています。

朴成哲の家族には、拉致被害者である曽我ひとみの娘、美花・ブリンダ姉妹の指導員を務めた孫がいることも、彼の生涯に興味深いつながりを与えています。

もう一度検索