朴振

朴振（パク・チン）

朴振（パク・チン、1956年9月16日 - ）は、韓国の政治家、元外交部長官。元外交官であり、第16・17・18・21代国会議員を務めた。本貫は驪州朴氏。キリスト教徒。

来歴

ソウル特別市鐘路区出身。父親は咸鏡北道明川郡、母親は咸鏡南道北青郡出身。京畿高等学校、ソウル大学校法科大学・同大学院、ハーバード大学ケネディスクール（行政学修士）、オックスフォード大学（政治学博士）を卒業。ロンドン大学キングス・カレッジ研究員、延世大学校東西問題研究院研究教授を歴任。米国ニューヨーク州弁護士試験に合格している。

外交官としては、第11回外務高等試験合格後、外交部に入省。金泳三政権下で大統領秘書室海外担当公報秘書官・政務企画秘書官を務めた。政界入り後は、ハンナラ党総裁特別補佐役、第16代国会科学技術情報通信委員会委員、ハンナラ党共同スポークスマン、第17代国会前半期国防委員会委員、後半期統一外交通商委員会委員、第17代大統領職引受委員会外交統一安保分科委員会幹事、ハンナラ党国際委員会委員長、第18代国会外交通商統一委員会委員長、知識経済委員会委員を歴任。

国会議員としては、第16・17・18代総選挙ではソウル特別市鐘路区選挙区から、2020年の第21代総選挙ではソウル特別市江南区乙選挙区から出馬。2024年の第22代総選挙ではソウル特別市西大門区乙選挙区から出馬することとなった。

外交部長官として

2022年4月、尹錫悦次期大統領により外交部長官に指名され、5月12日に正式に任命された。

外交部長官在任中は、様々な外交活動を行った。

2022年7月には、安倍晋三元首相の追悼のため来日し、林芳正外務大臣と日韓外相会談を行った。徴用工問題の早期解決については一致したものの、具体的な対応方針については意見が分かれた。
同年8月には、ASEAN関連外相会議に出席するためカンボジアを訪問。林芳正外務大臣と再び日韓外相会談を行い、両国間の懸案等について協議を加速させることで一致した。韓国側はキャッチオール規制の規制解除を日本側に求めたが、日本側は徴用工問題とは別問題として拒否した。
同年8月には、中華人民共和国を訪問し、王毅外相と中韓外相会談を行った。中国側からは、アメリカが構築しようとする半導体供給網構築に傾斜しないこと、THAAD基地の運用を制限することなどを求められた。

2022年9月29日、尹錫悦大統領のイギリス・米国・カナダ訪問が「外交的な惨事」に終わったとして、国会で朴振外務部長官の解任建議案が可決された。しかし、尹錫悦大統領は翌30日に朴振外務部長官の解任を拒否した。

2024年1月10日、尹錫悦大統領が趙兌烈を新しい外交部長官に任命したことにより退任した。

騒動

過去には、いくつかの騒動に関与している。

2004年10月、国防関連の国政監査の前に、弾薬の備蓄量などの具体的なデータが書かれた資料を報道機関に提供し、軍事機密の漏洩に当たるという批判を受けた。国会倫理特別委員会から警告を受けた。
2006年3月、ハンナラ党事務総長の崔鉛熙による女性記者へのセクハラ事件後、事件の原因を「爆弾酒文化」とし、国会での記者会見で金づちで酒が入ったコップを破壊するパフォーマンスを行った。事件の本質を歪曲したという批判を受けた。
2008年、「朴淵次ゲート」に巻き込まれ、2万ドルの不法政治資金を受け取ったなどの疑いで起訴された。一審では300万ウォンの罰金刑を宣告されたが、控訴審で2万ドルの件が無罪となり、80万ウォンの罰金刑に変更された。
2022年の外務部長官人事聴聞会で、長男が海外のオンラインギャンブルサイト経営会社で勤めている疑惑が提起された。朴振は長男が同社の創立者であることを否定し、長男の勤務先が「ギャンブル」と無関係であると強調した。

エピソード

2005年9月、独島守護のために、韓国海軍の潜水艦の戦力増強を提案した。2010年4月18日には、国会外交通商統一委員長として金炯旿国会議長と共に独島に上陸した。
ウィキリークスによると、2008年6月18日、ソウルでアメリカ国防総省の東アジア・太平洋問題担当次官補に会った際、「韓国はあまりにも多くの民主主義を持つようになった」などと発言した。
2022年4月26日、ソウル鍾路区の人事聴聞準備事務室への出勤途中に、記者からの質問に対し、プーチン大統領の当選を祝賀すると発言し、後に訂正した。
* 2022年5月27日、韓・中南米修交60周年記念特別フォーラムでスペイン語で開会の挨拶を述べた。

もう一度検索