杉山光平

杉山 光平 (すぎやま こうへい)

杉山光平は1927年8月7日生まれ、静岡県静岡市出身の元プロ野球選手で、内野手及び外野手として活躍しました。彼は特有の「円月打法」と呼ばれる打撃フォームで知られ、そのスタイルと実力により多くのファンを魅了しました。また、シーズン154試合に出場したことは、飯田徳治や佐々木信也と並び日本のプロ野球において記録的なものでした。

経歴

プロ入り前

杉山は静岡商業から静岡師範を経て専修大学に進学しました。彼は大学時代になって初めて本格的に野球を始めたため、高校時代までのスポーツはテニスだったという変わり種の経歴を持ちます。1952年、近鉄パールスに入団します。

現役時代

近鉄在籍時、杉山は監督の芥田武夫と意見の食い違いから不遇の時期を過ごしました。キャンプ中の論争の結果、一時退団するも、彼の才能を見抜いた山本一人監督の助けで1954年に南海ホークスに移籍します。この移籍は「三角トレード」として知られています。

南海に移籍した杉山は、1955年には打率.278、16本塁打、90打点を記録し、チーム最多打点でベストナインにも選出されました。1956年には外野手に転向、その年も打率.303、93打点を記録し、再びベストナインとなります。その後の1958年、彼は打率.299に達し、1959年には打率.323で首位打者にも輝き、2年連続で4回目のベストナインに選ばれました。1961年にも果敢にチャンスをものにし、打率.321を記録しました。

しかし、同オフに阪急ブレーブスに移籍し、この時期の成績は伸び悩むことになります。1964年に南海に復帰し、1966年には打撃コーチ兼任として引退。その後、翌1967年までコーチとしてチームに貢献しました。

退場処分

1958年の開幕戦では、判定に抗議し暴言を吐いたため、記録に残る初の開幕戦退場を経験しました。

引退後

引退後は京都で鳥料理店「すぎ春」を開店したものの、現在は閉店しています。

選手の特徴と逸話

杉山は特有の打撃スタイルで知られています。打席に立つ際にはバットを地面に向けた状態から、投球に合わせてフォームを整え、その過程で前後に揺らしながらタイミングを取るスタイルが特徴的です。この独特の技術は、時代劇の「円月殺法」にちなんで「円月打法」と名付けられ、多くのファンに親しまれました。特に、1959年には偶然手に入れた曲がったバットで安打を量産したエピソードが語られています。

また、彼はチャンスに強いバッターとして知られ、野村克也選手をも上回る存在感を持つ選手でした。同時期に活躍した中西太は杉山を「職人芸のバッター」と称し、彼との真剣勝負を通じて互いに成長したと言われています。

その他

杉山光平は、水島新司の漫画「あぶさん」にも登場する有名な選手として、その存在は文献やメディアでも取り上げられています。彼の足跡は静岡県と野球界において今なお語り継がれています。

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